2014 Fiscal Year Annual Research Report
第三世代重力波望遠鏡における超長光滞在時間を持つFP共振器共振導入制御
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25287052
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三代木 伸二 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (20302680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 治 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (90532680)
廣瀬 榮一 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (60587757)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 重力波 / Fabry-Perot共振器 / 超精密長さ計測 / 高品質鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱吸収(100ppm/cm)と、不純物の量の面でスペックを満たすサファイア鏡基材(直径100mm、厚み60mm)を入手した。本研磨の前段階として、全面光学研磨を行った。そのサファイア鏡基材に対し、片面は曲率150m、面精度λ/10以下、もう片面は平面で面精度λ/2以下0、面精度は両面で1オングストローム以下の製作を開始した。 当初、石英基材の研磨で実績のある、高い表面形状精度とマイクロラフネスと速い研磨速度を両立でできる方法である、「磁性流体研磨法」を採用した。しかし、今回、石英より固い基材である本研究に必須のサファイア基材(著㏍ウィ100mm厚み15㎜)でテスト研磨したところ、表面形状形成や研磨速度には問題がない一方、研磨砥粒の「基材へのひっかかり」と思われる深い研磨傷が、何度研磨を繰り返しても減少しない問題が発覚した。磁性流体研磨では、研磨砥粒の種類も限られ、研磨砥粒の速やかな改良が不可能なため、研磨を、「磁性流体研磨だけ」で行うことをあきらめ、よりサファイアに親和する研磨砥粒が利用できる「オスカー法」を併用することで、問題の解決の見通しが立った。 このオスカー法のテスト研磨の成果をもとに本番基材である直径100mm厚み60mmの丹憲章サファイア基盤に対し、片面は曲率150m+/-0.5m、面精度はλ/10以下、面荒さ1オングストローム以下、片面はウェッジ平面はウエッジ角0.5度、面精度λ/20、面荒さ1オングストローム以下を目指し研磨を行い、完成した。 一方レーザー干渉計をデジタル制御するためのAD,DA回路系、アンチエイリアシングフィルターなどの設計を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
単結晶サファイアテスト基盤に対するテスト研磨により、当初予定の方法では仕様要求を満たせそうにないことが判明したので、その代替の、より時間のかかる研磨方法の選択が必要となり、その方法の検証に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
鏡の作成に関しては、完成したサファイア基盤に対し、曲率面に対しては、有効面積80%以内で、1064nm波長用の反射率99.995%以上目標の薄膜コーティングを行う、ウェッジ面に関しては、1064nm用の無反射コーティングを施す。 一方レーザー干渉計をデジタル制御するためのAD,DA回路系、アンチエイリアシングフィルターなどの製作を行う。
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Causes of Carryover |
単結晶サファイアテスト基盤に対するテスト研磨により、当初予定の方法では仕様要求を満たせそうにないことが判明したので、その代替の、より時間のかかる研磨方法の選択が必要となり、その方法の検証に時間を要した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H26.4:熱吸収率低減測定、H26.7:テストピース性能試験、H26.8:基材研磨オフ法の変更と試行、H26.11芯研磨方法によるテストピースの性能試験、H26.12サファイア基盤の作成、H27:サファイア鏡基材の調達完了の予定である。
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