2014 Fiscal Year Annual Research Report
CTA大口径望遠鏡アクティブ・ミラー制御(AMC)システムの開発
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25287063
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
千川 道幸 近畿大学, 理工学部, 教授 (50179941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 常夏 甲南大学, 理工学部, 教授 (40454722)
吉田 龍生 茨城大学, 理学部, 教授 (60241741)
林田 将明 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (60705177)
奥村 曉 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (90645011)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | CTAプロジェクト / 宇宙線実験物理学 / 高エネルギーガンマ線 / チェレンコフ望遠鏡 / 大口径望遠鏡LST / アクティブ・ミラー制御 / アクチュエータ |
Outline of Annual Research Achievements |
日本はCTA-Japanを組織し,MPI研究所を中心とする欧州のCTAグループと共同で23m大口径望遠鏡(LST)の開発を担当し,CTA建設に向けて研究を進めている。CTA-Japanでは大口径望遠鏡に用いる分割鏡の製作も担当しており,天体からのガンマ線観測時の記録精度を高めるため分割鏡の方向制御を能動的に行うアクティブミラー制御(AMC)システムのR&Dを精力的に行ってきている。 LSTに用いられる約200枚にも及ぶ数量の分割鏡を統合的に制御するシステムの技術及び運用法開発を行い,Linux PCシステム,無線LANモジュール,アクチュエータ群を用いたAMCシステムの開発・構築と平行して耐久性をも含めたロバストなシステムの試験も行ってきている。具体的には,振動試験,加重付加を掛けてアクチュエータの伸縮を繰り返しさせる試験,対天候試験,対粉塵試験等である。その為に,複数台の分割鏡にアクチュエータを取り付けて実際の環境に近い条件で作動させることを目指し,近畿大学,東大宇宙線研究所,ドイツMPIにそれぞれ開発用プロトタイプシステムを製作,設置した。 平成27年度迄にLST用プロトタイプアクチュエータの開発をZurich大学を中心として行い,(1)MST用アクチュエータを用いた動作試験,(2)LST用プロトタイプアクチュエータの開発と製作,(3)LST用プロトタイプアクチュエータを分割鏡に取り付けた動作試験,(4)AMCシステムの基礎となるプログラムR&D,(5)AMCシステムに自動制御を行う為のCMOSカメラの導入と統合環境のR&D,(6)AMCシステム構築の為のIRレーザ導入R&D(現時点では赤色レーザで試験)などのR&Dをして来た。 現時点でこれらは未だ多くの解決せねばならない問題が山積しており,今後ともLST用AMCシステムの開発を継続して行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度迄にLST用プロトタイプアクチュエータの開発をZurich大学を中心として行い,以下のようなR&Dを開始している。 (1)MST用アクチュエータを用いた動作試験,(2)LST用プロトタイプアクチュエータの開発と製作,(3)LST用プロトタイプアクチュエータを分割鏡に取り付けた動作試験,(4)AMCシステムの基礎となるプログラムR&D,(5)AMCシステムに自動制御を行う為のCMOSカメラの導入と統合環境のR&D,(6)AMCシステム構築の為のIRレーザ導入R&D(現時点では赤色レーザで試験) 然し乍ら,これらのR&Dの進捗状況は,2016年にLST第1号機が建設される迄に全ての課題を開発せねばならないため,今後とも更なるAMCシステムの開発を継続して行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
上に記載したように,LST用プロトタイプアクチュエータの開発をZurich大学を中心として行い,近畿大学,東大宇宙線研究所,ドイツMPIにそれぞれ開発用プロトタイプシステムを製作したので,複数台の分割鏡を実際の環境に近い条件で連動させるためのハードウェアとソフトウェアの最適化を目指す。 天体からのガンマ線観測時の記録精度を高めるため,分割鏡の方向制御を能動的に行うAMCシステムには既存の制御法を基に,新たな原理の導入も視野に入れた制御技術の開発が求められるので,精力的な研究開発を継続する予定である。
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Causes of Carryover |
LST用アクチュエータの開発に於けるその構成部であるモータ,内蔵制御基盤,無線制御モジュールXBeeの仕様変更などにより,必要とする部品を全て購入できなかった為に次年度使用額が生じた。 現在,R&Dを行うアクチュエータのセットについては,中口径望遠鏡の仕様から大口径望遠鏡用の仕様に変更した製品を用いて行っており,次年度にはLST用の仕様に従った製品を必要な数量購入して AMCシステムのR&Dを推進する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新年度に入り次第,R&Dを行うアクチュエータのセットについても,中口径望遠鏡の仕様から大口径望遠鏡用の仕様に変更した製品を用いて行っており,次年度にはLST用の仕様に従った製品を必要な数量購入して AMCシステムのR&Dを推進する。
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Remarks |
本研究は国際プロジェクトCherenkov Telescope Array(CTA)に資する為に行われており,次のURLに本研究を含め,情報並びに資料が掲載されている。 http://www.cta-observatory.jp/ https://portal.cta-observatory.org/Pages/Home.aspxである。
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Research Products
(9 results)