2015 Fiscal Year Annual Research Report
Study on MJO initiation processes using CINDY2011/DYNAMO data and high resolution atmospheric models
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25287119
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三浦 裕亮 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70415991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 覚 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 大気海洋相互作用研究分野, 主任研究員 (40431902)
佐藤 薫 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90251496)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マッデン・ジュリアン振動 / 全球雲解像モデル / CINDY観測 / 大気海洋相互作用 / 熱帯気象 |
Outline of Annual Research Achievements |
海洋研究開発機構の「地球シミュレータ」と東京大学の「FX10」を利用して全球雲解像モデルNICAMを用いて行った、格子間隔14kmで初期時刻をずらした60日間のアンサンブルハインドキャスト実験の結果を論文にまとめ発表した。この論文では、11月後半から12月前半にかけてオーストラリアとインドネシアに囲まれたバンダ・アラフラ海域における海面水温が急激に上昇し、同海域における可降水量が急速に回復することで、MJOの東進を励起し得るという新しい仮説を提示した。北半球冬季には、同海域の可降水量がインド洋東部や太平洋西部と同等にまで回復するため、可降水量が水蒸気凝結を介して大域的に浮力として働き、東進モードの存在を許す場を形成している可能性がある。また、再解析データの解析により西太平洋とインド洋の海面水温差がMJOの東進速度と逆相関の関係にあることが分かった。このことは、バンダ・アラフラ海域を含む海洋大陸域や西太平洋域の季節進行に伴う海面水温上昇が、冬季に顕著に見られる東進の遅いMJOの存在にとって本質的に重要である可能性を示しており、この仮説について検証を行っている。CINDY2011の現場観測データと同時期に行われたNICAMによる予報実験との比較解析により、NICAMが強風時には地表潜熱フラックスを過大評価し、弱風時には地表潜熱フラックスを過小評価していることが分かった。この結果を受けて、地表潜熱フラックスの計算方法の再検討を行い、NICAMによる追加の感度実験を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
NICAMを利用したCINDY観測期間のMJOのシミュレーションについては予定通り完了したが、MJOに伴う降水域の東進過程に内在する赤道反対称性についての追加のデータ解析が必要となったことから、水惑星条件での理想実験への着手が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
海面水温の東西差の役割に着目して解析を進めるとともに、水惑星条件での実験を実施する。また、地表潜熱フラックスの評価方法を変更した追加実験結果を解析し、地表潜熱フラックスのMJOへの影響を調べる。
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Causes of Carryover |
これまで得られた成果を論文化するため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文の投稿・掲載に関わる費用として使用予定である。
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Research Products
(17 results)