2015 Fiscal Year Annual Research Report
生物源マグネタイトの役割の解明による古地磁気・岩石磁気研究の刷新
Project/Area Number |
25287137
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 俊嗣 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (80344125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 裕二 高知大学, 自然科学系, 准教授 (00452699)
横山 祐典 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (10359648)
七山 太 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 上級主任研究員 (20357685)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地球電磁気学 / 地質学 / 古地磁気学 / 岩石磁気学 / 古海洋学 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究において、日本海の海底堆積物表層における生物源マグネタイトの分布を、岩石磁気プロクシを用いて推定した。その結果、生物源マグネタイトは、酸化・還元境界より浅い酸化的環境の堆積物においても広く存在すること、酸化・還元境界付近では、形状異方性の大きな、つまり結晶の縦横比の大きな生物源マグネタイトの割合が増加していることが推定された。今年度は、透過電子顕微鏡を用いて、実際に生物源マグネタイトが存在することを検証した。計5地点、19層準の試料について、それぞれ500個程度の生物源マグネタイトを同定し、形態による分類を行った。その結果、岩石磁気プロクシから推定した縦横比の大きな生物源マグネタイトには、涙滴状結晶が対応することが明らかとなった。化学的環境の違いにより、異なる形態の結晶を持つ別々の種の走磁性バクテリアが棲み分けていることが判明した。酸化・還元境界付近に保磁力の大きな涙滴状形態のマグネタイトが生物により作られるという発見は、堆積残留磁化獲得機構の理解、ひいては古地磁気学に大きな意味を持つ。
昨年度までに古地磁気・岩石磁気測定を終えた、西部赤道太平洋で採取されたコア試料について、地磁気逆転境界(ガウス/松山及びオルドバイ・クロン下限)での宇宙線生成核種10Beの存在量の測定を行った。古地磁気強度記録との比較により、このコアにおいては堆積残留磁化獲得深度はほぼ0 cmであることが明らかになった。一方、従来の研究では同様の手法により、近傍の堆積物コアから約15 cmの堆積残留磁化獲得深度が報告されている。これらより、堆積残留磁化獲得深度は場所により大きく異なることが明らかとなった。堆積残留磁化獲得深度は、化学環境の違いによる生物源マグネタイトの分布の違いや生物擾乱の程度など、局所的な堆積環境の違いに支配されている可能性が考えられ、古地磁気研究への影響の大きな結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に述べたように、生物源マグネタイトに関して古地磁気学への影響の大きな成果が得られ、研究は順調に進捗したと評価できる。しかし、論文の公表は当初の研究期間内に終えられなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果を論文として公表する。
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Causes of Carryover |
予定した論文が年度内に出版されなかったため、掲載料として予定した予算に残が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文掲載料として使用する。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] Distribution of magnetofossils in deep-sea surface sediments with Fe-redox boundary2015
Author(s)
Yamazaki, T., Suzuki, Y., Kawamura, N., Seike, K., Sakuramoto, Y., and Okutsu N.
Organizer
2015 AGU Fall Meeting
Place of Presentation
モスコーニセンター(米国サンフランシスコ)
Year and Date
2015-12-14 – 2015-12-18
Int'l Joint Research
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