2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコンプラズマスラスターの推力発生機構の解明と大出力化
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25287150
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
高橋 和貴 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80451491)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 晃 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90182998)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 電気推進 / ヘリコンプラズマ / 磁気ノズル / 無電極推進 / 推力計測 |
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| Research Abstract |
研究開始初年度は，現有のヘリコンプラズマスラスター実験装置において，ヘリコンプラズマ源の構成要素である，プラズマ源終端版，プラズマ源内壁，および磁気ノズルを形成するソレノイドコイルを独立にスラストバランスへ接続し，推力の成分分解計測を行うとともに，全構造をスラストバランスへ接続し総推力の計測を実施した．まずは，二つのソレノイドコイルに流す電流をそれぞれ制御し，各種磁場配位の推力発生への効果を調べ，高周波アンテナからスラスタ出口では収束磁場，下流側では発散型の磁場形状が最も効果的であることを見出した．この磁場構造において，主に磁気ノズルの磁場強度の影響について注力して調べ，プラズマ生成部のプラズマ密度を一定とした状態で磁気ノズル中の半径方向拡散のみを制御することに成功した．推力成分分解計測と比較した結果，プラズマ終端版に起因する推力は一定であり，内壁へのプラズマ運動量の損失はほぼ無く，径方向拡散の抑制に伴い磁気ノズル中の電子反磁性ドリフト電流と径方向磁場によるローレンツ力のみが増加することを明らかにした．この結果はプラズマパラメータの計測結果と定性的に一致することを示した．この知見を踏まえて，次年度以降の推力増強に備えて，パルス強磁場発生法を開発し，ヘリコンプラズマ源への適用を行い，最大で6kGaussの磁場強度を有する磁気ノズルの形成に成功している．
またマッハプローブやエミッシブプローブの試験的な計測を実施し，その計測の妥当性について検討し，Labview Programの整備など次年度へ向けての環境整備を実施し，さらに永久磁石を用いた高効率ヘリコンプラズマスラスターの開発へ向けて着手し，最大15mNの推力を得ることに成功した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度では計画通りに，推力成分分解計測に成功し，その妥当性についても総推力計測結果と比較・検討しよい一致を示した．またプラズマ生成部の密度を一定に保ちつつ磁気ノズル中の径方向拡散のみを制御する手法と組み合わせることで，推力発生に対する磁気ノズルの重要性を示す結果が得られた．初年度の実験最終項目として計画していたマッハプローブやエミッシブプローブの試験的計測も実施したため，おおむね順調に進展しているといえる．
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は初年度に確立した推力分解計測技術，プラズマ計測法を用いて，プラズマ流体の各種諸量の詳細計測と推力の詳細計測を行う．ここで得られるプラズマ各種諸量を電子とイオンの二流体方程式へと導入し，スラスタから放出されるプラズマ運動量をもとめ，推力直接計測結果と比較することにより推力発生機構の解明へとつなげる．以上よりモデリングの妥当性を検討するとともに，学術的な課題を明らかにし，最終年度までの推力発生機構の解明へと向けて研究を推進する．
初年度は磁場強度や高周波電力の効果について注力して実験を実施したが，二年目以降では動作ガス種を変えることでイオンホールパラメータ制御やプラズマ生成部の高効率化に関して実験を実施し，さらに広範なパラメータ領域での実験を行うために，初年度に開発した最大6kGaussの強磁場発生法を用いた推力試験を実施し，最終年度での目標性能達成に向けた学術基盤の構築を行う．
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の効率よい執行のため，プラズマスラスターや推力計測器，およびデータ収集器などを可能な限り自作し，また現有のターボ分子ポンプを流用することで所望の真空排気性能が技術的に保てることが分かり，申請備品であったクライオポンプの購入を取りやめたため．
次年度以降に，強磁場発生回路用の直流電源購入費やオシロスコープの購入費を充当することで，より効率のよい研究推進を計画している．また研究の高効率推進，安定な装置の運用のための真空部品や各種回路改良のための部品費としての使用を計画している．
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