2015 Fiscal Year Annual Research Report
ラマン分光による生細胞の絶対定量的分子イメージングと物理化学の生命科学への展開
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25288010
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
浜口 宏夫 早稲田大学, 付置研究所, 教授 (00092297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 孝章 筑波大学, 数理物質科学研究科(系), 教授 (70232337)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ラマン散乱断面積 / 水素分子 / ベンゼン |
Outline of Annual Research Achievements |
当初、ヘリウム原子のレーリー散乱を強度標準として、基本的分子のラマン散乱断面積を決定することを計画していたが、レーリー散乱の強度を他の迷光と区別して精度よく測定することが極めて困難であることがわかった。そこで、水素分子の分極率異方性を量子化学計算によって正確に決定し、それをラマン散乱強度の一次標準とする新しい方式を試みた。H2, HD, D2分子について量子化学計算を行い、分極率テンソルの各成分を計算し、分極率異方性を求めた。得られた計算値は、分極率の異方性の分子間距離に関するゼロ次、一次、二次の微係数の実験値をよく再現した。したがって、この分極率異方性は、ラマン散乱強度の一次標準として十分に高い精度を有することが確かめられた。この分極率異方性を用いてH2, HD, D2分子の回転ラマンスペクトルの強度分布を計算し、それをもとにラマン分光計の感度較正を行った。この較正により、-400cm-1から1000cm-1の領域に存在するラマンバンドの強度を、分光計の特性に左右されることなく正確に比較できるようになった。この較正された分光計を用いて、水素分子とベンゼン分子の気体試料を同一実験条件で測定し、水素分子の散乱強度を標準として、ベンゼン分子の呼吸振動(992 cm-1)のバンドのラマン散乱断面積を求めた。水素分子とベンゼン分子の混合気体を測定する方法、それぞれを別個に測定する方法などいくつかの異なる方法で水素分子とベンゼン分子の相対ラマン強度を求めた。いずれの測定法においても、ベンゼン呼吸振動の散乱断面積は、既報の値と誤差限界を超えて異なることがわかった。現在、この差異が生じる理由を検討中であるが、これまでに報告されていた値が大幅に修正される可能性がある。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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