2015 Fiscal Year Annual Research Report
電子活性メゾサイズ錯体集合体の構築と外場誘起状態変換
Project/Area Number |
25288024
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
張 浩徹 中央大学, 理工学部, 教授 (60335198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 剛 中央大学, 理工学部, 助教 (40564109)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 原子価互変異性錯体 / 双安定性 / 長鎖 / オリゴエチレングリコキシ鎖 / コバルト錯体 / 両親媒性 / 同期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は化学的刺激や物理的外場に応答しうる100 nm-10μmサイズのメゾ構造体構築を目指した。申請者はこれまでにVTとマクロ相転移が同期発現することを明らかにしているが、相転移温度の鎖長依存性は弱い。本研究で新たに合成した [Co(3,6-DTBQ)2(nEGEspy)2](ConEGEspy, n = 2 or 4)はオリゴエチレングリコキシ(EG)鎖を有し、93 Kでls-CoIII型である。EG錯体ではEG鎖が屈曲し分子内においてVTコアを囲むように集積する。n = 4錯体は、318 Kで液体へと融解するが、生成した液体は紫色を呈し、続く温度上昇に従い徐々に緑色へと変化した。また、冷却過程ではアルキル鎖錯体で見られた結晶化は観測されないまま紫色へと色のみが変化する一方、再加熱により269 Kで発熱的結晶化を発現した。これはEG鎖の導入により自己集合化が速度論的に抑制された結果である。n = 2錯体は、結晶融解温度において僅かな磁化上昇を示し、その後緩やかに磁化が上昇するVT挙動を示した。n = 2, 4錯体の磁化率、DSC及び偏光顕微鏡観察の結果を加味すると、EG修飾錯体ではアルキル修飾錯体とは異なり、VTとマクロ相転移の同期現象を広範囲に変調できる事が明らかとなった。疎水性アルキル鎖を有するVT錯体はMeCN、アセトン等の極性溶媒に不溶であった一方、EGの導入によりこれらの溶媒に可溶となった。このことから極性溶媒中でのVT挙動の発現が可能となった。以上本研究では、VTコアにEG鎖を導入することでVTとマクロ相転移の同期性を広範囲に変調できることを見出した。これはEG鎖の柔軟性と酸素原子の存在に基づく性質であり、この効果は錯体の溶解度にも顕著に現れた。この結果は各種溶媒中におけるメゾ構造化やそれに伴うVT挙動の制御を展開するために有用な知見である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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