2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25288030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山内 美穂 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 准教授 (10372749)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Fe族名の合金触媒 / フィッシャー・トロプシュ反応 / オレフィン / 活性化条件 |
Research Abstract |
本研究では、精密に組成および構造が制御された鉄族金属からなるナノ合金触媒を作製し、構成元素の協同効果に基づく新規触媒機能の開拓を行うことを目的とする。 これまでの研究により、カーボンに担持されたFeとCoからなる固溶体型ナノ合金触媒は、フィッシャー・トロプシュ反応に高い反応活性を示し、C3オレフィンであるプロピレンを高選択的に生成することを明らかにしてきた。また、最近の研究により作製したばかりのFe-Coナノ合金触媒は、そのままでは全く触媒活性を示さず、特殊な前処理を施すことにより、触媒として機能することが明らかとなってきた。そこで、本年度は、前処理条件とFe-Coナノ合金の構造と触媒特性にに及ぼす効果を系統的に調べ、高活性な鉄族ナノ合金フィッシャートロプシュ合成触媒作製条件を解明することを目的とした。 試料は申請者が開発した2ステップ還元法により、Fe:Co=50:50のカーボン担持Fe-Co触媒の作製を行った。ICP-MSによる元素分析および粉末XRD、TEM測定による構造解析により試料の同定を行った。その結果、2-ステップ法により、ほぼ仕込み比通りの組成を持つ、直径2-30 nm程度のナノ合金がカーボン上に良く分散している触媒が作製されたことが確認された。 作製した試料について、種々の条件(反応ガスの圧力、反応温度、反応時間)で処理した触媒の構造と触媒特性を調べた。その結果、ある条件下で処理することにより、固溶体型Fe-Coナノ合金から他の構造のナノ合金構造に変化するとが明らかとなった。更に触媒特性はナノ合金の構造変化に伴って向上することがわかった。今後、XPS測定などの測定を手法を用いてより詳細な検討を行い、Fe-Coナノ合金触媒の構造と触媒特性の関連性を解明するつもりである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度、Fe-Coナノ合金を高活性化する条件を決定できたことは、本プロジェクトにおいて重要な成果であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、Fe-Coナノ合金触媒にある前処理条件を行うことで、触媒特性を著しく向上させることが出来ることをみいだした。今後は、活性化処理によりナノ合金にもたらされる変化を詳細に調べることで、Fe族ナノ合金触媒の触媒活性発現原理を明らかにしていくつもりである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
評価装置を購入する事により、触媒評価を正確に行うこと可能であることが明らかとなった。来年度には、新規の器具を購入して、触媒評価システムを構築するつもりである。そのための費用として、本年度に計上していた人件費の一部を器具の購入費として来年度に使用することとした。 触媒評価を効率的に行うために、ガラス器具や金属部品などを年間を通して購入するつもりである。
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