2013 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属触媒を用いない有機金属化合物のクロスカップリング反応
Project/Area Number |
25288046
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白川 英二 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70273472)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 有機化学 |
Research Abstract |
アリール Grignard 反応剤が遷移金属の助けを借りずにハロゲン化アリールおよびアルケニルとカップリングを起こすことを既に報告していた.この種の有機金属化合物を用いるクロスカップリング反応が,遷移金属触媒なしで進行することを示した初めての例である.その際に採用していた,少量の THF 存在下トルエン中で反応させるという条件では,ハロゲン化アリールの適用範囲が臭化物に限られていたが,今回,塩化リチウムを加えることによって,アリール Grignard 反応剤の反応性が向上し,臭化アリールでも反応が進行することを明らかにした.さらに,THF の量も増やすことが可能であることも判った.クロスカップリグ反応に先立って,THF 中で調製したアリール Grignard 反応剤から溶媒を留去する必要がなく,より実用的な反応系になったと言える. また,アリール亜鉛化合物も遷移金属の助けを借りずにハロゲン化アリールやアルケニルとクロスカップリングを起こすことも明らかにした.アリール亜鉛化合物は対応する Grignard 反応剤よりも求核性が低いので,エステルやシアノ基のような求電子性官能基をもつアリール亜鉛化合物やハロゲン化アリールも反応に用いることができ,Grignard クロスカップリングよりも基質の適用範囲の広いカップリング系となった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に二つのテーマを完成させているうえ,近いうちに論文発表できると期待される3種類の研究を検討中である.
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り,遷移金属触媒を用いない,幅広い範囲に適用可能なクロスカップリング系の構築を図る.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
少額のため,購入できる試薬等がなかった. 研究に必要な試薬等の購入代金にあてる.
|
Research Products
(8 results)