2014 Fiscal Year Annual Research Report
3次元弾性イメージングによる嚢内調節のメカニズムの解明
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25288055
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安中 雅彦 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40282446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 豊明 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (10238959)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 弾性イメージング / ブリルアン散乱 / 水晶体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,視覚のピント調節機構である「調節(accommodation)」とその加齢による変化(老視)のメカニズムを解明するために,以下の検討を期間内に実施することにある。すなわち,①生体組織のin situおよびin vivo条件での3次元弾性マッピングを実現する研究手法を新たに確立する。②水晶体の力学物性の観測から生きたままの状態で調節機能のメカニズムを解明する。さらに③嚢内調節(水晶体繊維細胞の能動的関与)のメカニズムを明らかにすることである。 平成26年度は,平成25年度に引き続き,主として①生体組織のin situおよびin vivo条件での3次元弾性マッピングを実現する研究手法を新たに確立することに注力した。さらに,摘出眼からを用いて水晶体の力学物性の観測の予備検討を行った。「生きたままの状態:で眼球組織の力学物性を観測するためには,非侵襲的観測方である非弾性散乱法であるブリルアン散乱法が有用であるが,従来の光学系では計測に長時間を有する欠点があった。そこで,本研究では高速・高感度観測を可能とする回折格子VIPAエタロンををタンデム型で導入することで達成することを試みた。さらに,本光学系を用いて,合成高分子および摘出眼の力学物性測定の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で開発しているブリルアン分光系の最も重要な部分であるVIPAエタロンh受注生産であり,当初国内メーカーに依頼していたが,十分な性能が出せず米国のの製造メーカーに再度依頼したために,最適化に時間を必要としている。
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Strategy for Future Research Activity |
高速・高感度で弾性イメージングを実現するためには分光系の作成が最重要課題であり,最適化を早期に達成し,さらに共焦点光学系に組み込むことで達成させる。すでに,共焦点系以外では,合成高分子,摘出眼を用いた弾性測定には成功しており,当初の目的は達成できるものと考えられる。
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Causes of Carryover |
本課題で申請の物品費は, VIPAエタロン作成と分光系開発のための光学部品が占めているが,現時点でVIPAエタロンの仕様最適化に時間を有しており,そのため次年度繰越金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまでに上記VIPAエタロンの仕様最適化の目処が立っており,繰越金は主にVIPAエタロンと光学部品購入に用いる。
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Research Products
(2 results)