2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25288090
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宇山 浩 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70203594)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | モノリス / 有機無機ハイブリッド / 相分離 / 多孔質体 / アフィニティークロマトグラフィー / セルロース |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は金属固定化モノリスの応用をアフィニティークロマトグラフィーを中心に実施した。His-Tagタンパク質の分離・精製用アフィニティーモノリスカラムとして、モノリスの高分子基材として疎水性の反応性アクリル樹脂、親水性のエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)を主に用いた。モノリス基材表面にアミノ基を導入するにあたり、スペーサーの有無及びスペーサー鎖長の影響を調べた。Ethylenediamine tetraacetic dianhydrideをモノリスと反応させ、Niイオンを導入することでアフィニティー機能団を固定化した。His-Tagタンパク質として蛍光を有するものを準備し、評価に用いた。アクリル樹脂ベースと比して親水性のEVOHの結果が良く、スペーサーとしてPEGジアミンを入れたものは更に吸着量が増大した。これらの結果から本用途では親水性のポリマー基材の選定及び適切なスペーサーの導入が重要であることがわかった。最も結果の良かったモノリスについてフローで検討したところ、バッチより結果が更に向上した。また、アフィニティークロマトグラフィー用途では親水性担体が求められることから、新たにセルロースモノリスの作製を検討した。セルロースは溶解性が低いため、有機溶媒への溶解性に優れる酢酸セルロースを用い、適切な溶媒を選択して熱誘起相分離法により酢酸セルロースモノリスを作製した。これを含水イソプロパノール中でアルカリ加水分解することで耐溶媒性に優れるセルロースモノリスに変換した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
His-Tagタンパク質をターゲットとするニッケルイオン固定化モノリスを作製し、アフィニティークロマトグラフィーに応用した。このモノリスが実用性に優れるフロー系で優れた性能を示すことを明らかにした。また、この用途に適した担体として親水性セルロースモノリスを新たに開発した。このように計画通りに研究を遂行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従って、有機無機ハイブリッドモノリスに関する研究をさらに深化させ、最終年度は実用性の高いアフィニティーカラム担体の開発に特化する。
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Causes of Carryover |
今年度はモノリスの作製と応用について小スケールで実施したため、消耗品費を中心に予定より少額で研究を遂行できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
フロー型への応用を含め、モノリスの大型化や評価項目の多様化に伴い、消耗品費を中心に増額して研究を実施する予定である。
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Research Products
(12 results)