2014 Fiscal Year Annual Research Report
極端条件下における芳香族ポリマーの秩序構造変化の計測と光・電子機能材料への展開
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25288096
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安藤 慎治 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (00272667)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 光学物性 / ポリイミド / 超高圧印加 / 凝集状態 / 極端条件 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、顕微加熱冷却ステージによる温度変化(-190~350℃)とハンドポンプやダイヤモンド・アンビル・セル(DAC)による高圧・超高圧印加(1気圧~4000気圧および1気圧~80,000気圧)により、含芳香族ポリイミド分子鎖の繰り返し単位と分子鎖間距離に生ずる構造・凝集状態変化を広角X線回折で観測し、それを同条件で観測した光吸収、蛍光発光、FT-IRスペクトル、遠赤外・テラヘルツスペクトルや熱伝導特性と比較・対照して考察することで、耐熱性を維持しながら高い光・電子・熱機能性を有する光・電子材料の新しい分子設計指針の獲得を目指す. H26年度は、主鎖に屈曲構造を有するPIの凝集状態の解明を目的として,ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の構造異性体2種から合成される各種PIについて,大気圧~超高圧(8万気圧)における各種光学物性の測定および解析を行った.可視紫外光吸収スペクトル測定から,分子鎖間距離の短縮に伴うVan der Waals相互作用増大の効果を比較することで,大気圧下における凝集状態の疎密を明らかにした.また,蛍光スペクトル測定から,分子間距離短縮に伴う無輻射失活増大の効果を比較することで,主鎖に屈曲構造を有するPIは直線性の高い構造を有するPIに比べ,より大きく圧縮され凝集状態の変化が顕著であることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H26年度は,異なるイミド化温度にて結晶性の異なる試料(薄膜・粉末)を調製し,またビフェニルテトラカルボン酸二無水物の構造異性体2種から合成される各種PIを調製して,低温(-170℃)~高温(350℃),大気圧~超高圧(8万気圧)における各種光学測定(光吸収、蛍光発光、赤外吸収)と体積膨張測定(近赤外干渉スペクトル法)を行った.研究は,計画どおり進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度は、計画の最終年度となるため,測定の対象を特異な秩序/凝集構造を有する半芳香族PIに拡張し、各種のPI薄膜を系統的に調製して、超高圧・温度可変による構造歪みの圧力依存性と分光特性(光透過性と蛍光発光特性、遠赤外・テラヘルツスペクトルなど)および熱物性(膜厚方向の熱伝導特性)の変化を比較・検討する.また,これまでの検討で得られたPIの秩序/凝集構造と光学特性・熱伝導特性の相関に関する知見を基盤として、常温・常圧で使用可能な新規の耐熱性光・電子材料の分子設計・開発を目指した検討を行う.加えて,3年間の検討から得られた知見を総括するとともに、国内外での学会発表、特許出願、論文投稿を計画的に進め、研究成果のPriority確保と学会・産業界への情報発信を行い、次世代の耐熱性光・電子・熱制御材料の用途展開を進めてゆく.
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Causes of Carryover |
高感度マルチチャンネル分光器を購入予定であったが,他の研究資金(企業との共同研究)で導入されたため,購入が不要となった.また,超高圧・高温下での広角X線測定をSPring-8(兵庫県)で行う予定であったが,高エネルギー研(つくば市:最近,検知器が大幅に更新された)で行なうこととしたため,交通費や消耗品費が大幅に減額となった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究をさらに進展させるため,高感度蛍光分光光度計を導入する.また,超高圧下でのブリルアン散乱測定に対応したダイアモンドアンビルの導入を検討する.
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