2015 Fiscal Year Annual Research Report
導波路結合フォトン-フォトキャリア直交型マルチストライプ半導体太陽電池の研究
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25288112
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石橋 晃 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30360944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 憲治 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (50360946)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 太陽電池 / 光電変換素子 |
Outline of Annual Research Achievements |
光入射方向とフォトキャリア進行方向の直交性により、十分な光吸収と高いキャリア収集効率を完全に両立させた系を実証し、変換効率を飛躍的に向上させるための礎を築いた。周期的屈折率変調構造による“回折光学系”では、光伝播効率が大きな波長依存性をもつ。そこで、光を片側のみに選択的に送り込む周期配列放物線鏡による“反射光学系”と屈折率異方性層をクラッド層とする平面導波路よりなる左右非対称リディレクション導波路のアイデアを生み出した。この系では、放物線鏡によりフォトンが一定範囲内より飛来するようにできるので、この方向に対し屈折率異方性層の屈折率を最大にするように構成することで(この時、直交する方向には屈折率が小さくなるため)、3次元光を極めて効率的に2次元導波光化できる。これにより反射光学系の利点が生きて、波長にほぼ依存すること無く、約80%の高い導波効率を実現しうることが示唆された。導波路とSi太陽電池を結合して、エッジ入射配置にて光電変換特性を得る事ができている。導波路と半導体素子の結合位置合わせの困難さは、UV硬化させる前の樹脂導波路に半導体素子を圧着することによるセルフアラインメント技術を用いることで克服できた。進行方向変換層のプロトタイプの特性評価が進み、これを最上層として設けることで、太陽光の入射方向によらず周期的屈折率変調構造に対し、ほぼ垂直に光が入射する構造を実現しうることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
進行方向変換層のプロトタイプの特性評価が進み、これを最上層として設けることで、太陽光の入射方向によらず周期的屈折率変調構造に対し、ほぼ垂直に光が入射する構造を実現しうることが示され、この下に光を片側のみに選択的に送り込む周期配列放物線鏡による“反射光学系”と屈折率異方性層をクラッド層とする平面導波路よりなる左右非対称リディレクション導波路を設けることで、3次元光を極めて効率的に2次元導波光化でき、波長にほぼ依存すること無く、高い導波効率を実現しうることを示し得た。また、導波路と半導体素子の結合位置合わせの困難さは、UV硬化させる前の樹脂導波路に半導体素子を圧着することによるセルフアラインメント技術を用いることで克服しうることを示した。これにより、光入射方向とフォトキャリア進行方向の直交性により、十分な光吸収と高いキャリア収集効率を完全に両立させた系を実証し、変換効率を飛躍的に向上させるための礎を築くことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
シミュレーションで更なる非対称リディレクション導波路の最適化を行い、インプリント及び蒸着により上記非対称導波路を実作してその特性を評価する。端面入射配置では高い変換効率が得られることを示す。マルチストライプ半導体構造として、Si/SiGeの他、InGaN系を用いたマルチストライプ構造を試みる。太陽光スペクトルの広いバンド幅に亘って光電変換できることを示していく。左右非対称導波路とマルチストライプ素子の結合の最適化も図っていく。この導波路上に、更に光進行方向変換層を最上層として集積することで、太陽光の入射方向によらず周期的屈折率変調構造に対し垂直に光が入射する構造を実現し、直射光、拡散光問わず、十分な光導波ができることを実証する。光吸収最適化とキャリア収集最適化が完全に両立可能で、太陽光スペクトルの大部分に亘って光電変換し、熱としての損失を最小限に留めて高光電変換効率を得るとともに、温度上昇を押さえることが可能な、拡散光にも強い集光型太陽光発電を実現でき、更には、紫外光等の高エネルギーフォトンを、中間ギャップ、ナローギャップ半導体へ進入させないことでボンドの変性を未然に防ぐことで、長寿命化・高信頼性が達成できることを世界に先駆けて実証する。
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Causes of Carryover |
当研究課題において、太陽光を効率的に光電変換素子の端面に導くには、太陽電池素子と導波路の制御された精密な結合が重要であることが判明した。そのためには、接合を行った代際の導波路の終端部の形状を精度良く測定することが必要となり、この測定に関して必要かつ十分な高精度測定の可能な機器の検討とその慎重な選定に時間を要したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
補助事業の目的をより精緻に達成するために、当該未使用額は、①上記精密機器(構造段差計)の購入、及び、②同装置の立ち上げ、太陽電池・導波路結合系への適用、及び実構造パラメーターをいれた精密な結合のためのシミュレーションを行う2ヶ月分の人件費に充当する。
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[Presentation] 簡易クリーンルーム2016
Author(s)
松田 順治、石橋 晃
Organizer
北海道医療福祉産業研究会
Place of Presentation
札幌市立大学 (北海道札幌市)
Year and Date
2016-02-04 – 2016-02-04
Invited
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