2013 Fiscal Year Annual Research Report
超大規模フェーズフィールドGPU計算によるデンドライト競合成長メカニズムの解明
Project/Area Number |
25289006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
高木 知弘 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (50294260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 尊之 東京工業大学, 学術国際情報センター, 教授 (00184036)
山中 晃徳 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50542198)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | フェーズフィールド法 / GPU計算 / デンドライト / 凝固組織 / 競合成長 |
Research Abstract |
二元合金凝固の定量的フェーズフィールドモデルを用いた一方向凝固モデルを定式化し,CUDA Cを用いたGPU用コーディングを行った.ここで,一定温度勾配を有する固定温度領域中で材料を引き抜くシミュレーションを可能とした.さらに,複数GPU用にコードを拡張し,GPUスパコンである東京工業大学のTSUBAME2.5による計算を可能とした.構築した並列GPUコードを用いることで,まず,2次元問題として2結晶体のデンドライト競合シミュレーションを,デンドライト間隔と優先成長方向を種々変化させ系統的に行った.この結果を複数の国内外の学会において発表した.さらに,プログラムコードを3次元問題用に拡張し,薄膜領域で2結晶体の競合成長計算を可能とした.現在,薄膜厚さを変えた数通りの計算を完了しているが,予定の全ての計算は終わっておらず,次年度も継続して計算を進める.加えて,大規模計算のデータ処理のために購入した「大規模データ処理システム」において,可視化フリーソフトParaViewを利用可能とし,また,データの3D可視化のための環境も構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進捗は順調であり,「研究実績の概要」に示すように年度初めに設定していた研究計画はおおむね達成できた.しかしながら,GPU並列計算の効率が現在のところあまりよくなく,予定していた系統的な3次元デンドライト競合成長計算はまだ完了していない.
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Strategy for Future Research Activity |
研究はおおむね順調に進めることができており,今後は当初の予定通り研究を進める.少しだけ遅れている薄膜内での3次元2結晶体のデンドライト競合成長計算をまず完了させ,これに加えて様々な条件下での系統的な計算を行い,3次元競合成長現象を明らかにする.次に,液相の流れを伴うデンドライト成長を表現するために,フェーズフィールド法と格子ボルツマン法を連成させるモデルを構築し,まずは2次元問題としてGPUコーディングおよび複数GPU並列コーディングを行い,デンドライト一方向凝固に及ぼす自然対流と強制対流の影響を詳細に検討する.この際,流体の専門的な知識を要するため,4月の1か月間のみ研究員を雇用し,モデル化を完了させる予定にしている.加えて,今年度の成果を論文にまとめ報告する.
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