2014 Fiscal Year Annual Research Report
超大規模フェーズフィールドGPU計算によるデンドライト競合成長メカニズムの解明
Project/Area Number |
25289006
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
高木 知弘 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (50294260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 尊之 東京工業大学, 学術国際情報センター, 教授 (00184036)
山中 晃徳 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50542198)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | フェーズフィールド法 / GPU計算 / デンドライト / 凝固組織 / 競合成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度に行った二元合金二結晶体の一方向凝固過程におけるデンドライトの競合成長シミュレーションの結果を用いて論文を執筆し掲載された[Acta Mater. 81 (2014) 272].また,平成25年度に行ったシミュレーションよりも大規模な計算を行うべく,二次元分割を用いた複数GPU用並列コードを作成し,並列計算のスケーリング評価を行うことでその有用性を確認した.次に,構築したコードを用いて東工大のGPUスパコンTSUBAME2.5において大規模シミュレーションを行った.大規模シミュレーションは2種類行っている.一つは,単結晶二元合金の一方向凝固シミュレーションであり,温度勾配を変えることでセル形態とデンドライト形態における競合成長を表現し,デンドライトの配向性のメカニズム解明を目的とした.もう一つは,二結晶二元合金の一方向凝固シミュレーションであり,熱流方向に成長するデンドライトと傾いて成長するデンドライトの三次元における競合成長をシミュレートした.この結果,三次元でも二次元計算と同様,傾いたデンドライトが熱流方向に成長するデンドライトを淘汰する現象が確認され,その淘汰速度は傾いたデンドライトの傾き角に依存することを示した.いずれの大規模計算も計算は完了し,結果整理と考察を進めている.加えて,流動のある液相内でデンドライトが移流しながら成長する過程を表現できる,フェーズフィールド法と格子ボルツマンを連成させるモデルを作成し,その単一および複数GPUを用いるコードを作成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進捗は順調である.大規模GPU並列化コードの作成および大規模計算は予定通り進んでおり,また,流動計算のモデリングにも成功した.成果は国内外の学会で発表し,論文も執筆しており,国内外で高い評価を得ている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究はおおむね順調に進んでおり,平成27年度も計画通りに対応する.平成27年度は,特に流動を伴うデンドライト凝固の研究に集中する.平成26年度の作業により,液相流動を伴うデンドライト成長モデルと二次元コードは作成できているため,モデルとコードの三次元化および並列化を行う.この際,流体力学の専門的な知識とノウハウが必要となるため,3ヶ月間,研究員を雇用することにした.また,本研究課題の最終年度となるため,論文執筆と学会発表を通して成果発表を積極的に行う予定である.
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