2014 Fiscal Year Annual Research Report
びびり振動の安定限界向上を実現する不等ピッチ・リードエンドミルの形状設計
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25289015
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 教和 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00359754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
社本 英二 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20216146)
樋野 励 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (80273762)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 切削 / びびり振動 / 再生効果 / 不等ピッチエンドミル / 不等リードエンドミル |
Outline of Annual Research Achievements |
提案手法を実現するには,様々な動特性の状態や加工条件を考慮した多角的な検討が必要となる.特に,“マルチ再生効果”の同時抑制,システムの変化に対するロバスト設計,モードカップリングへの対応などについて考慮する必要がある.そこで,平成26年度は以下の研究を実施した. 1.システムの変化に対するロバスト設計;びびり振動が発生する振動系において,その振動周波数が一定値に定まらないことが多い.そこで,びびり振動の振動周波数の変化を仮定して再生数の変化とその安定限界に対する影響を評価した.その結果,ロバストな安定限界向上を実現し得る実用的な工具形状の設計手法を考案した. 2.モードカップリングへの対応;モードカップリングが影響するプロセスでは,むやみに再生効果を打ち消すとかえって安定限界が低下してしまうことがある.そこで,モードカップリングを伴う場合の再生数と安定限界向上効果の関係について多角的な検討を行った.検討の結果,モードカップリングを伴う場合には,それに対応した再生数の設計が必要であることを明らかにした. 3.単純な動剛性を有する実験装置の開発と提案手法の検証;ロングシャンクの不等ピッチ・リードエンドミルを試作し,工具がびびり振動を生じる場合の実験検証を行った.概ね,設計通りの性能を発揮することを確認したが,解析とは完全には一致しないことを確認した.そこで,なるべく単純な加工評価の実施を目的とし,単純な平行板バネ構造を有する被削材固定治具構造等を開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた通り,工具形状と再生効果の関係に対する理解が進み,再生効果を抑制する工具形状の設計理論が大幅に進んだ.さらに,モードカップリングの影響に対する理解も大きく進展し,実験検証も始まったことから,予定通り研究を進めることで今後の発展が期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,平成25年度と26年度までに得られた成果を踏まえ,さらに実用的な手法の開発を目指して,主に以下の検討を行う.これにより,提案手法の開発を一気に進め,評価結果に基づき適宜修正を行いながら,びびり振動の安定限界向上を実現する工具形状設計理論の確立・実用化を目指す. 1.単純な動剛性を有する実験装置の開発と提案手法の検証 2.複雑な動剛性を有する実験装置による検証実験 3.提案手法の総合的評価
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Causes of Carryover |
平成27年度において,実験評価を中心とした研究を展開するにあたり,加工実験の消耗品費やセンサなどの購入費用が必要になると予想されるため,平成26年度分の基金分の予算を持ち越した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
加工実験に用いる消耗品費やセンサ類の購入に利用する.
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Research Products
(14 results)