2013 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ球面超音波モータを利用した血管内視鏡の開発
Project/Area Number |
25289019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
遠山 茂樹 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20143381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 寛 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80293041)
西澤 宇一 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80553221)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アクチュエータ / 内視鏡 |
Research Abstract |
血管内視鏡は血管内を肉眼的に診断することができる唯一の検査方法であり,三次元カラー画像として情報を得ることができる.そのため血管の狭窄度の診断だけでなく,プラークや血栓の色調および表面の微細な形態など,様々な観点から診断を行うことができる. 本研究では,超小型球面モータの開発を行い,血管内視鏡の先端を任意の方向へと駆動させるアクチュエータとして使用することでこの問題の解決を試みる.当研究室では管内検査ロボットのカメラ方向を駆動させるアクチュエータとして球面超音波モータの開発を行っており,この技術を応用し超小型球面モータの開発を行なった.従来の超音波モータに代わるアクチュエータとしてワイヤステータ型超音波モータの開発を行い,これを超小型球面モータのステータとして使用した. ワイヤステータ型超音波モータの形状として,ワイヤの曲率を一定としたリング式ステータ,ワイヤを螺旋状に巻いた渦巻式ステータを考案した.渦巻式ステータに関しては巻き数を3巻きと4巻きのモータを製作した.ワイヤ径は全て0.5 mmとし,リング式ステータは外径を11 mmとし,ロータとの接触部には60 degの間隔をあけ,導波路からの進行波を阻害しないようにRをつけ導波路を伸ばす.渦巻式ステータは外径を12 mmとし,3巻き渦巻式ステータではワイヤ間隔を0.8 mm,4巻き渦巻式ステータではワイヤ間隔を0.5 mmとした.基礎実験として各ステータに加える押し付け力を変化させ,回転速度および起動トルクにどのような影響が出るか調査を行った.また,各ステータに発生する回転軸周りのトルクをステータ形状から求め,リング式ステータと比較した.その結果,渦巻式ステータの方が駆動力に関しては優れていることを実験結果からも確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小型球面モータを開発するに当たり、まず3倍モデルを試作し回転を確認した。基本的な性能を確認し、小型化への見通しを得た。順調に開発できている。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度の成果をもとにφ0.7ロータ、φ0.5ループを持つ実寸モータの開発を行う。ループ線材は0.05mmの微細径ワイヤーを用いる。このサイズではロータとの接触状態の検査は難しい。ロータを載せた一軸試験で回転特性が揃うコイルを3組用意して使う。微小モータの問題はどうしても片当たりがあり、それぞれのコイル(ステータ)の個体差(接触差)から希望の方向への回転が難しくなる。これを補正するのに、AI技術であるニューラルネットの手法を使う。引き続き、血管内視鏡を試作する。血管内視鏡ではこれまで研究を行ってきた内視鏡デバイスの研究で培った様々なデバイス技術を駆使し、カテーテルスリーブに0.2ミクロンのオプティカルファイバー約10,000素子をストロー状に束ねた外径0.3ミリ、内径0.2ミリの中空オプティカルバンドルファーバーを使用する。得られたリング状画像を撮像センサーの後段に設けた画像処理デバイスでフレームモーフィング処理を行う。血管内挿入時の進行分岐路の確認、方向示唆、及び患部状況の視覚的確認を実現でき、施術時間の短縮及び確実な処置の確立が期待できる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、微小径のワイヤーでステータを開発する予定であったが、ラージモデルの試作評価に思いの外時間がかかった。従って、これを基にした超小型ステータの設計も遅れて次年度への持ち越しとなった。あわせて、制御回路等も次年度への持ち越しとなったため。 超小型モータの基本設計および制御回路の設計は遅れながらも順調に進んでおり、H26年度初頭には開発する予定である。
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Research Products
(2 results)