2013 Fiscal Year Annual Research Report
変分原理に基づく意匠デザイン用曲線・曲面の定式化とそれらの力学性能の解明
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25289021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
三浦 憲二郎 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50254066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 宏 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (40302757)
臼杵 深 静岡大学, 電子工学研究所, 准教授 (60508191)
藤澤 誠 筑波大学, 図書館情報メディア研究科(系), 助教 (90508409)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 形状モデリング / 美的曲線・曲面理論 / 対数型美的曲線 / 対数型美的曲面 / 極座標型美的曲線 / 変分原理 / 美的空間 |
Research Abstract |
当初の計画に基き、変分原理に基づき定式化された対数型美的曲線及び対数型美的曲面 の目的関数をBezier曲線とBzier曲面にそれぞれ適応し,目的関数を最小化するように変形させることで,意匠デザインに利用可能で高品質なBezier曲線・曲面を生成した. 最適化の結果としてガウス曲率を最適化し、平均曲率を最適化した.双3次の場合に処理間はそれぞれ190s,191sであった.最適化後の曲面では,どちらの曲率を最適化した場合でも最適化前の曲面における膨らんでるいる部分がなだらかになっった.また,それぞれの曲率の分布をも見ると,最適化前に比べ最適化後は曲率の変化が小さくなり,良質な曲面が生成できていることを確認した.ガウス曲率を最適化した曲面では平均曲率を最適化した曲面に比べガウス曲率の値の範囲は小さく,同様に平均曲率を最適化はガウス曲率を最適化した曲面に比べ平均曲率値の範囲は小さくなっている. 研究の過程で、当初の計画にはない「極座標型美的曲線」を研究・開発した。はさみのはさみ角に着目し, それが回転角の関数で与えられる曲線として極座標型美的曲線を提案した.特に,はさみ角が回転角の1次式として与えられる場合の曲率の単調増加性について議論した.今後,これを空間曲線へ拡張する予定である. その他、美的曲線に関連した研究、たとえば一般化対数型美的曲線の曲線生成範囲についての新しい知見等を得た.また、Frenet-Serret式は,与えられた曲率と捩率を持つ曲線の形状を一意に定める連立常微分方程式である.したがって,曲線形状を求めるためには,それらの常微分方程式を解く必要があり,一般には複雑な数値計算を必要とする. 我々は曲線の曲率と捩率が線形従属にあるとき,Frenet-Serret式が一般解を持つことを利用してFrenetフレームの一般解を導出し,連立常微分方程式を解くことなく,接線ベクトルを積分することで形状算出を高速化した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、平成25年度は, (a) 対数型美的曲線理論と, (b) 変分原理による曲面の定式化に関する予備研究を基礎として, (1) 曲率分布を大域的・局所的に変更可能とする目的関数の決定, (2) スケッチ入力によるキーライン生成, (3) 曲線の力学性能の解明について研究する、と計画された. (1)曲率分布を大域的・局所的に変更可能とする目的関数の決定に関しては、当初の計画より進展している、と考えられる。(2)スケッチ入力によるキーライン生成に関しては、リバースエンジニアリングに関する新たな方法を現在試しており、おおむね順調に進んでいると判断される。(3) 曲線の力学性能の解明については、カム理論に基き時間関数としての曲線の定式化(与えられた軌道のどのように動かすか?)をしているとともに、有限要素法の考え方を発展させたisogeometric analysisの自由曲線、曲面への適用について研究を進めており、おおむね順調に進展していると判断される。 さらに、計画の当初では予想できなかった多くの研究成果を得ており、その点でもおおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従い、変分原理に基づく曲面の定式化を用いて, 3Dレーザスキャナにより得られた計測データから曲面を生成する. 得られたデータを曲面が近似するように目的関数のパラメータを探索する. また, 曲面の境界条件(境界線やそこでの接平面)を設定するために, まず境界線を生成し, 次に曲面内部を内挿する2段階の手法について研究する. さらに,ハイライトラインを意図通りに通す変形手法について研究する. 曲面の力学性能として, 製品の機能を大きく左右する空力特性を代表例として取り上げ, その力学性能を解明する. 例えば, 車体回りの空気の流れをシミュレーションし, 車体にかかる空気抵抗を計算する. 本研究ではメッシュフリーである粒子法を用いてリアルタイムに形状抵抗を提示するシステムを開発する. 空気抵抗の予測において乱流が重要であり, 乱流の発生によって揚力などの性能が著しく損なわれる. このような乱流を粒子法において計算する手法をシステムに組み込み正確な抵抗値を算出する. 正確な予測のためには粒子数を多くする必要があるが, 粒子数の増大は計算時間の大幅な増加を招く. GPUを用いて粒子法を高速化しこの問題を解決する. 研究が早く進展した場合には,曲面の評価は画面上での評価だけでなく, 実際の物理モデルを目で観察し, かつ手で触って滑らかさを評価することが重要である. そこで, 本研究ではモックアップを製作しそれを評価する.また,画面上の評価や物理モデルの評価を基に, 曲面の定式化, 計測データからの曲面の生成およびスケッチ入力, の各アルゴリズムについて再検討を行う. 必要に応じて定式化を変更し, その変更を各応用アルゴリズムに反映させる. 各研究者間の連絡を密にとり, 理論的な成果を応用に反映させるとともに, 応用の結果に応じて理論をより洗練させる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の予算を残すことにより、比較的多額な予算を必要とする海外での学会発表等を行う。 海外での学会発表等のために予算を使用する予定である。
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[Presentation] 離散積分曲線の生成法2014
Author(s)
三浦憲二郎, 鈴木晶, 臼杵深
Organizer
2014年度精密工学会春季大会学術講演会
Place of Presentation
東京大学(東京都)
Year and Date
20140318-20140320
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[Presentation] 極座標型美的曲線2013
Author(s)
三浦憲二郎, 臼杵深
Organizer
2013年度精密工学会秋季大会学術講演会
Place of Presentation
関西大学(大阪府)
Year and Date
20130912-20130914
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