2014 Fiscal Year Annual Research Report
固体二面に挟まれた境界潤滑被膜の構造解析と超低摩擦摺動メカニズムの解明
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25289025
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
平山 朋子 同志社大学, 理工学部, 教授 (00340505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 敬 同志社大学, 理工学部, 教授 (80173813)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | トライボロジー / 潤滑 / レオロジー / 境界潤滑層 / 添加剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
機械における摺動表面の多くは潤滑油中に晒されており、潤滑下でのトライボロジー現象を真に理解するには、摺動場における固液界面の状態を正確に把握することが重要である。特に、低摩擦(u<0.01)~超低摩擦(u<0.001)特性を有する摺動界面には、摩擦を低減する何らかの境界潤滑被膜が形成されていると言われているが、その物性および挙動はほとんど明らかになっていない。そこで本申請では、100ナノメートルオーダのすきまを保ちながら二平板を平行に対向する機構を有する装置を開発し、ストライベック曲線を得ることによって境界潤滑層が潤滑下でどのような働きをしているかを詳細に調査することとした。 昨年度に開発した動圧軸受型および静圧軸受型の二種類の二平板摺動試験機を用いて、摺動試験を行った。動圧軸受型試験機においては、光干渉法を用いて二平板間のすきまを直接測定したところ、二平板間のすきまがほぼ理論通りに構成されており、最小すきまが数百ナノメートルとなるまで平行を保って作動していることを確認した。静圧軸受型試験機においては、二平板間のすきま長さは静圧軸受の仕様によって決まり、測定試料の粘度に依存しないことを確認した。その上で、試料油に表面吸着層を形成する添加剤を混入して試験を行ったところ、すきまが狭くなるほど試料油の見かけ粘度が下がる傾向が見られた。これより、固液界面に形成された添加剤吸着層が界面すべりをもたらしている可能性が高いことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二種類の試験機を完成させた後、動作が正常であることを確認した上で、実際の試料油を用いて試験を行うことができた。また、試料油に添加剤を混入させたときの挙動も極めて明瞭に捉えることができ、昨年度の遅れを十分取り戻すことができたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
装置の一部改良を行いつつ、さまざまな試料油、添加剤を対象として実験を繰り返して行く。また、中性子反射率計を用いた二平板間の添加剤吸着層の挙動解析も並行して実施して行く予定である。
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Causes of Carryover |
期末の残予算で購入できる必要物品がなかったため、次期に繰り越すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次期予算と合わせて、消耗品の購入費に充てる。
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Research Products
(8 results)