2014 Fiscal Year Annual Research Report
空間フィルタ流速計の高度化と気泡乱流の3次元・マルチスケール分析
Project/Area Number |
25289033
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
細川 茂雄 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10252793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨山 明男 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30211402)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 流体工学 / 計測工学 / 可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
発電プラント,ボイラ等の沸騰を伴うエネルギプラント,気泡塔などの化学プラント,マイクロバブルによる水環境改善など多くの工業機器・システムにおいて気泡を含む流れがその効率,性能と強く関係している.このため,気泡を含む流れ場における乱れの特性の詳細な理解が求められているが,既存計測手法のみでは,その把握が容易ではない.本研究では,申請者らが開発した高精度流速計測手法である空間フィルタ流速計を高度化・高機能化し,複雑流動を多次元かつ幅広いスケールで高精度・高時間・高空間分解能で速度計測できる手法に発展させるとともに,本手法を用いて気泡を含む流れ場内の乱流特性を詳細に調査し,気泡が液相乱れに及ぼす影響を理解するとともに気泡乱流モデルを開発することを目的としている. 平成26年度は,計測手法の高度化を行うとともに気泡乱流実験データを取得した.また,数値予測に必要な基本数値計算コードを作成した. 1.計測手法の高度化に関しては,フォトブリーチングブ分子タグ法における速度勾配評価方法を見直し,4つのタグの速度と位置から速度勾配を算出することにより測定精度を向上した.また,時空間フィルタ流速計(SFV)を境界適合測定領域に拡張し,界面・壁面近傍速度測定精度を向上した.さらに.SFVに基づく3D3C計測のためのプログラムを作成した. 2.気泡乱流実験に関しては,昨年に引き続き気泡乱流の実験データを拡充するとともに.測定した速度および速度勾配から液相の乱れエネルギ収支を評価した. 3.気泡乱流モデルの開発に関しては,基本数値計算コードを作成するとともに,前述の気泡乱流における乱れエネルギ収支実験結果に基づき既存の気泡擬似乱れの生成率モデルを評価した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請当初,2年目に計画していた①SFVの高度化、②気泡乱流実験の実施,③数値予測モデルの検討のいずれの項目に関しても,概ね予定通りの進捗状況にあり,順調に成果が得られている. 具体的には,①SFVの高度化においては,当初計画通り3D3C計測に必要なプログラムを作成するのみならず,当初計画には無かった分子タグ法の計測精度向上および境界適合計測領域を用いたSFVの発案・開発も行なっており,当初計画以上に成果が得られている.②気泡乱流実験の実施に関しては,気泡乱流実験データの取得を継続的に実施しており,概ね当初計画に沿うものと判断している.③数値予測モデルの検討に関しても,当初予定にあった基本数値計算コード作成を完了し,既存気泡擬似乱れ生成モデルの検討を行い,問題点も抽出している. 以上のように,本研究は概ね当初計画通り順調に進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降も当初計画に沿って計測手法の高度化と気泡乱流の実験的分析及び高精度数値予測を目指した気泡乱流モデルの検討を継続して進めていく.特に,本年度は実験データの拡充とその分析および乱流モデルの検討を中心に研究を推進していく.
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