2013 Fiscal Year Annual Research Report
道路情報と地形情報を利用した電気自動車の航続距離延長制御の研究
Project/Area Number |
25289050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川邊 武俊 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 教授 (60403953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 正和 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 助教 (50404059)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 機械力学・制御 / 電気自動車 / 省燃費運転 |
Research Abstract |
初年度は,基本となる車線変更を考慮しない場合の電気自動車の省燃費走行制御アルゴリズムを作成した.まず,車線変更がない場合の航続距離延長制御問題を考え,制御アルゴリズム構築のために,制御モデルとして,電気自動車(車両・モータ・バッテリ)のモデルを作成した.そして,モデル予測制御問題の評価関数と制約条件の選定を行った.ここでは,予測して省燃費化に利用する情報を,進行先の勾配情報として効果を確認することとした.デジタルマップから進行先の勾配情報が得られるとした場合の省燃費効果についてどれだけの効果があるかを調べた.勾配情報を利用する制御は,先行研究でガソリン車の省燃費化に有効であることが確認できていた.計算機シミュレーションを行い,勾配情報を利用することで,購買情報を利用しない場合の制御と比べて,省燃費効果を確認することができた. 初年度の成果として,電気自動車のモデル化において,バッテリの要素が新しく加えることができた.また,進行先の勾配情報を利用することで省燃費化を図ることができた.電気自動車の場合は,ガソリン車に比べて回生エネルギーが燃費に占める割合が大きくなるので,省燃費化の効果が顕著になることも明らかにできた.また,交通流シミュレータの準備を始め,単純な道路形状を使いシミュレータのデフォルトの車両モデルを組み合わせて使用するようにできた.この際に,シミュレータのパラメータの詳細や車両モデルの変更の方法などの知識を習得することができた.本研究課題では,交通流シミュレータとして,TS社 AIMSUNというシミュレータを使用した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画した研究項目について取り掛かることができ,知見を得ることができているため.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度使用した,シミュレータでは,車両モデルはGippsモデルが用いられており,車両タイプ応じたガソリン車の燃料消費計算が行われる.今後は,このモデルを電気自動車に変更するために,ソフトウェアの拡張開発キットを用いる.また,制御側の実装もシミュレータに割り込む形で行うように,シミュレーション環境の開発を行う.また,アルゴリズムの構成とシミュレーションによる検証と並行して継続的に空撮実験と実車実験を行い,様々なシミュレーションの設定を求めておき,様々な状況での効果確認ができるようにしておく.特に,どのような場面で航続距離延長制御の効果が高いかという点と,他車への影響を調べることが重要であるので,それらが確認できる場面を検討し,必要なデータが集められるようにする.各年度の最後に知見のまとめと,成果報告を行う.本研究課題の特長は,制御アルゴリズムの提案と効果予測を,交通流シミュレータとドライビングシミュレータ,実データを適切に活用して研究するという点である. 今後は,初年度の制御アルゴリズムの研究に続き,順次シミュレーションによる効果検証を行い,データ計測の課題を開始する.また,空撮データの動画から走行車両の位置・速度を取得し,交通流シミュレータのパラメータ決定に利用する.パラメータの決定には,まずは非線形最小二乗法を用い,オフラインで計測データと適合するパラメータを求める予定である.初年度提案した制御アルゴリズムを,実際の走行状況に近いパラメータ設定の交通流シミュレータを用いて検証し,結果をフィードバックして制御アルゴリズムの改良を行う.またドライビングシミュレータの利用の準備を始める.本申請課題では,6軸モーションのドライビングシミュレータを使用する.このドライビングシミュレータは,交通流シミュレータと連動して利用することができるように機能を拡張する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度の研究で,資料の整理に使用するファイルなどの文房具が不要であったため. 次年度以降,資料が増えるため文房具の費用として活用する.また,計算機のデータも増えてくるので,バックアップ用の費用として利用する予定である.
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