2014 Fiscal Year Annual Research Report
神経生理的親和性向上技術による恒常的身体拡張技術に関する研究開発
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25289054
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長谷川 泰久 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70303675)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電気刺激 / 感覚フィードバック / 歩行制御 / 関節角度 / 角度精度 |
Outline of Annual Research Achievements |
H26年度は、小型で拡張性を有するアレイ電極を製作し、このアレイ電極を搭載した下肢関節角度提示インタフェースを研究開発した。また、このインタフェースを用いて、歩行実験を行った。 H25年度に行った電気刺激を使った2点弁別実験結果に基づき、隣接した電極間距離が3.59[mm]以上ある10点と22点の電極を有する2種類のアレイ電極を研究開発した。これらのアレイ電極を使った刺激方法を3種類(刺激点:10・22・43)設定し、各々の方法における関節角度提示の精度を確かめるために指操作型インタフェースを用いて仮想脚の関節角度制御実験を行なった。その結果、43の刺激点がある刺激方法にて、視覚による下肢の確認と同等の関節角度提示精度があることを確認した。 また、関節トルクを制御する人の神経構造を模擬するために、仮想脚の関節角度操作にPAWセンサ用いた操作インタフェースを開発した。この操作インタフェースを用いて、同様に関節角度制御実験を行なった。その結果、健常者のような歩行制御を模擬した脚の操作インタフェースを用いて仮想脚を操作する場合において、小型なアレイ電極による関節角度提示インタフェースで指の末節1箇所に関節角度のフィードバックを与えた時、視覚で仮想脚を確認したときとほぼ同等の(有意な差がない)精度で股関節角度を制御できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関節角度の提示を行うアレイ電極および下肢麻痺患者用下肢操作インタフェースの研究開発は順調に行われている。一方、知覚-行為フィードバックループを再建に関する評価については、若干遅れており、研究者の数を増やして取り組む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
下肢麻痺患者用下肢操作インタフェースの操作性や歩行安定性、操作負荷などの評価を行う。具体的には、操作インタフェースを用いて、2足歩行ロボットの歩行操作実験を通して、操作方法の学習初期から熟達レベル向上を計測し、知覚-行為フィードバックループの再建により、下肢を目視した場合の視覚による体性感覚フィードバックの代替と比較して、歩行の安定性などについて評価する。 また、これらの実験から、神経生理的な親和性向上を実現する為に重要となる項目を纏め、恒常的身体拡張に必要な神経生理的親和性向上の基本技術を獲得し、親和性向上技術の体系化と装着型運動支援・拡張機器の設計標準化を目指す。
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Causes of Carryover |
研究連携者のご逝去および研究代表者の異動に伴い、研究者および実験環境の整備に時間を要し、実験機器の購入が遅れた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画通り実験を遂行するために、担当する研究者の数を増やして対応する。
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Research Products
(5 results)