2015 Fiscal Year Annual Research Report
静電誘導ファイバー高度集積化によるヤモリ型静電チャック創製と物体操作技術への展開
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25289056
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 滋規 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (30313349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鞠谷 雄士 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (70153046)
高橋 邦夫 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (70226827)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高分子繊維 / 生体模倣 / 静電チャック / 導電性芯 / 静電力 / リソグラフィー / 3次元プリンター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,ヤモリ指先の微細構造にヒントを得て,静電力により対象物を自在に凝着(把持)・離脱可能にする「ヤモリ型静電チャック」を創成し,従来,取り扱い困難だった対象物をハンドリング(物体操作)可能にする技術を実現することにある.具体的には,導電性の芯を持つ高分子繊維(静電誘導ファイバー)を高度に集積化し,ヤモリ指先のセタ(seta)微細毛にヒントを得た構造により,対象の表面形状に沿って柔軟に密着し,静電力をより有効に働かせるデバイスを実現すること,さらに,それを用いた「強い凝着」と「容易な離脱」を両立可能にする技術体系を確立することである. 27年度は,「双極型『ヤモリ型静電チャック』モジュールの積層化によるデバイスの大面積化」のための「リソグラフィ技術による双極型微細毛静電チャックモジュールの製作手法の実験的検討」および「3次元プリンターを用いた双極型微細毛静電チャックモジュールの制作手法の実験的検討」によって,大面積化につながる双極型モジュールの実現可能性を示した.試作されたモジュールを用いて,プラスティックフィルムや紙などの誘電体対象物が自由自在に把持・離脱することが可能であることを示し,次世代のフレキシブルエレクトロニクス実装分野において,大きな貢献を果たす可能性を示すことに成功した. 今後は,対象を布地などに範囲を広げることにより,従来に無い自動化ハンドリング技術を確立することが可能だと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リソグラフィー技術に加え,3次元プリンター技術が本研究課題に適用可能であることが示されたため,将来的な適用範囲が広がったと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
双極型モジュールの製作技術の向上を図り,静電力による把持・離脱における有効面積の拡大と柔軟性確保の両立を目指すために,リソグラフィー技術と3次元プリンター技術の両面から検討を進めて行く.
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Causes of Carryover |
新たなデバイス製作技術として,3次元プリンター技術が有力であることが確認されたため,大面積化の可能性を追求するために,更なる実験や解析の必要性が生じたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
3次元プリンター技術を活用して,微細毛構造を持った静電力による把持・離脱デバイスの大面積化を図るために,樹脂などの材料費として主に使用する計画である.
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Research Products
(3 results)