2013 Fiscal Year Annual Research Report
環境順応型受動蛇行による狭隘地形内の長距離3次元移動探査の実現
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25289057
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
塚越 秀行 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (50313333)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ソフトメカニクス / アクチュエータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、複雑な曲がりや鉛直上りを含む3次元狭隘経路において、長距離でもスムーズに前進・後退できる全く新しい移動手法を構築することを目指している。移動体は、2本の柔軟チューブから成る線形柔軟体である。チューブ間に推力が生じると、その反動で一方のチューブが受動的に蛇行して地形に順応しながら支持力を生成し、それを足場に他方のチューブが推進する。当該原理をもとに、原子炉配管内や災害現場での情報収集への応用も視野に入れ、1)推進用流体アクチュエータの設計法や受動蛇行の特性解析、2)有線探査機を搬送する移動体の構成、3)方向操舵手法、4)直視できない条件下での操作性向上策、などを検討し、狭隘地形用移動ロボットのブレークスルーを図る。 以上の目標をもとに、当該年度は、試作1号機の予備実験で生じた問題解決のため、改良機を試作した。改良機は、偏平チューブアクチュエータを柔軟伸縮カバーで覆う構造に基づくものとした。これにより、探査機用ケーブルを完全に収納でき、突出箇所を減らすことが確認できた。また、次年度以降の展開研究を鑑み、方向操舵用アクチュエータとチューブの湾曲形状検出センサも、柔軟チューブ内に収納可能となる構成も検討した。 また、受動蛇行による支持力発生のメカニズムの解明を試みた。鉛直上り動作において、移動体の自重と推進反力は、受動蛇行による剛性と地形との摩擦で支えられることを確認した。さらに、経路幅・チューブの材料特性・内圧と支持力との関係を実験的に調べ、本移動体が推進可能となる地形条件を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた3D曲がり配管内の移動手法の確立および、垂直管でも7m程度上ることが可能な推進方法の確立、こられの双方を実現できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
分岐管における方向操舵手法を操作性の観点から追究していく予定である。
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Causes of Carryover |
当初の予定に反し、推力向上のためには配管内壁を支持するアクチュエータの導入が新たに必要なことが明らかとなった。研究遂行上、この現象の本質を見極めることが不可欠であり、予定よりも多くの実験環境を対象とした評価を実施する必要が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
配管内壁を支持するアクチュエータを用いて、3D空間複雑に湾曲した配管内の走行実験を行い、導入手法の有効性を探る。
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Research Products
(1 results)