2014 Fiscal Year Annual Research Report
環境順応型受動蛇行による狭隘地形内の長距離3次元移動探査の実現
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25289057
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
塚越 秀行 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (50313333)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ソフトメカニクス / アクチュエータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、複雑な曲がりや鉛直上りを含む3次元狭隘経路において、長距離でもスムーズに前進・後退できる全く新しい移動手法を構築することを目指している。平成26年度は、3D狭隘空間内の10m以上の長距離移動の実現と操作性向上を目指して、以下2つの観点から研究を行った。まず、推力/体幹長比を一様に高く保持し、長い体幹でも摩擦を上回る推力を生成する構成を検討した。すなわち、複数のアクチュエータを一定間隔毎にラダー状に配置し、これらを同期させて駆動することを試みた。当該アクチュエータを2~3m間隔に配置することにより、L字屈曲管が4箇所存在する長さ12mの配管内でもスムーズに移動可能なことを確かめた。次に、T字分岐管での方向操舵手法により、3次元屈曲配管内でも選択的に移動可能となる手法を開発した。具体的には、ペンシル状柔軟バルーンを先端部に並列に配置し、湾曲外側のバルーンを加圧して伸長させるという手法である。本手法の導入により、内径50mmのT字分岐管でも目標方向に湾曲した後、推進可能となることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目標としていた3D狭隘空間内の10m以上の長距離移動の実現に対して、試作機は12m程度の屈曲配管内を選択的に移動できたことから、おおむね順調に進展しているものと判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
実際の現場での使用を考慮すると、以下3点を今後克服すべき課題になると思われる。すなわち、i)内径の異なる配管内の移動、ii)配管内に障害物が存在する場合の乗り越え移動、iii)より長距離の配管内でのスムーズな移動、などである。
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Causes of Carryover |
当初の予定に反し、推力向上のためには配管内壁を支持する新たなアクチュエータの導入が不可欠なことが明らかとなった。研究遂行上、この現象の本質を見極めることが不可欠であることから、予定よりも多くの実験環境を対象とした評価を実施する必要が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
配管内壁を支持する新たなアクチュエータの製作費、その評価実験のための実験環境を準備するための材料費、および実験結果の報告に要する準備費用などにあてる計画である。
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