2015 Fiscal Year Annual Research Report
測定対象の構成元素と三次元微細形状計測の同時検出システムの開発
Project/Area Number |
25289066
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
新井 泰彦 関西大学, システム理工学部, 教授 (80131415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 誠司 関西大学, システム理工学部, 教授 (30202493)
多川 則男 関西大学, システム理工学部, 教授 (50298840)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノマイクロメカトロニクス / 三次元形状計測 / 元素分析 / 半導体回路検査 / 疲労破壊面検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請段階での本年度の計画に対して,現時点で以下の成果がもたらされている. 1)三次元形状計測と元素分析との融合技術の確立: 三次元形状計測と元素分析との融合技術の確立状況の確認については,金・銀・鉛・アルミニューム・銅が空間的に分布する試料を用いた実験において,新たに作製したソフトウエアを用いて一つの画像上でカラー表示を行うことによって,形状と元素分布の表示が可能であることを確認した.また,本研究の測定精度の向上につながる新たな測定感度に関するスペックル技術を用いた技術開発を行い,申請課題の測定感度向上を図ることができた. 2)新たな技術の応用分野の拡大: 新しく確立した技術の特性を,炭素と鉄とが固溶し,かつ熱処理によりその性質を変化させることのできる炭素鋼を用いて評価した.炭素鋼を熱処理し,炭素鋼表面の炭素と鉄の分布状態を変化させ,かつ結晶構造を変化させることによる表面形状変化を新しい技術を用いて三次元形状計測と元素分析の同時計測を行い,空間分解能,微小領域での元素分布割合比率検出分解能について評価した.また,IC回路におけるP型・N型半導体における元素分布とアルミニューム配線を含む半導体素子表面の形状並びに元素分析が同一画面上で可能であることを示した. 3)成果の公表: 本研究の成果をISOT2015において発表し,海外の研究者より高い評価を得ることができた. 申請当初の計画に沿った研究が遅滞なく行われているものと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度までに測定システムを完成させ,平成28年度にその評価並びに応用範囲の拡大を目指してきた.この申請段階の計画に従い,各種資料を用いて測定システムを本年度は評価し,当初の計画どおりの特性が実現されていることを確認した.さらに,その成果をISOT2015の国際会議において報告し,海外の研究者から高い評価を得ることができたことより,おおむね順調に研究は進行しているものと判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
技術開発・測定精度の向上について: 本研究では,現在,40μmのピッチをもつ格子をシリコンプロセスによって,製作し利用している.その結果数十μmの測定精度を実現するに至っている.今後,応用範囲の拡大を目指すために,2μm程度のピッチを持つ格子を利用したシステムへと改善を図りつつある.そのために,16μm,4μmの格子へと段階的に改善を図りつつある.新たな技術開発を必要とはせずに,おおむね現行の技術のもとで継続した研究が可能となるものと考え,測定精度の改善に努める予定である.さらに,測定感度についての向上を新たに開発した技術を持いて行う予定である. 技術の公表について: 本年ISOT201を申請代表者が開催することになっている.この国際会議において,本研究に関して,単に開発技術のみならず応用分野における特性を詳細に報告し,新たな技術を世界にアピールすることを計画している.
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