2014 Fiscal Year Annual Research Report
意図的な電磁妨害による故障利用攻撃に対抗する環境電磁工学的対策技術の開発
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25289068
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
曽根 秀昭 東北大学, サイバーサイエンスセンター, 教授 (40134019)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 優一 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (60551918)
水木 敬明 東北大学, サイバーサイエンスセンター, 准教授 (90323089)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 電気機器工学 / 情報通信工学 / 電気・電磁環境 / 電磁情報セキュリティ / 環境電磁工学 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は，交付申請書の研究実施計画各項目に対応して以下の２項目について研究を行って成果を得た。
(a) 汎用的な暗号機器設計時に妨害電磁波への耐性を評価可能なシミュレーションモデルの構築について，故障を引き起こし易い妨害周波数を決定するパラメタを基に，基板上の電磁界分布などの実測結果を確認しながら暗号機器設計時に耐性を評価可能とする基礎的なシミュレーションモデルを構築した。また，故障を引き起こしやすい妨害電磁波の周波数を決定するパラメタを抽出して，基板上の電磁界分布と各点におけるSパラメタ及び伝達関数などの実測を行いつつ，汎用的なシミュレーションモデルの基礎を得た。
(b) 電磁妨害メカニズム解明と対策技術の開発について，故障注入に必要な妨害電磁波は正弦波の場合にインパルスより200倍小さいという基礎検討から，機器内部で共振が生じるモデルを用いて，妨害波が伝搬し共振する時間領域現象を可視化することでメカニズムを解明した。また，意図的な電磁妨害に対して耐性の高い暗号プロトコルの開発を進めて，電磁妨害の影響を受けないカード組を用いた暗号プロトコルの開発を進め、その成果のひとつは IEICE Trans. Fundamentals 誌に掲載されることが決定している。
さらに，計測，リスク評価及び耐性評価モデルの結果を取りまとめ、成果の発表を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
交付申請に掲げた26年度の研究実施計画の項目について，そのすべてを達成するとともに，計画を大きく超える成果を得た。
暗号機器設計時に妨害波への耐性を評価可能とするシミュレーションモデルの構築について，故障を引き起こしやすい妨害電磁波の周波数を決定するパラメタを抽出して，基板上の電磁界分布と各点におけるSパラメタ及び伝達関数などの実測まで進めることができた。
また，IEMIによる暗号機器への故障注入メカニズムについて，機器内部で共振が発生して注入した妨害波の振幅が一定のレベルを超えることにより故障を引き起こすという示唆が得られて，次年度の発展への足掛かりを得た。
さらに，意図的な電磁妨害に対して耐性の高い暗号プロトコルの開発を進めて，カード組を用いた暗号プロトコルの開発も進めた。
これらの研究成果は，学会論文誌や国際会議に投稿し，以下に示すように当初計画を大幅に超える件数の発表を行って研究成果の報告および国内外の研究者との議論と情報交換を行うことができ，また，IEICE Trans. Fundamentalsへの採録が決定している。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は，（１）シミュレーションモデルの高精度化を図るとともに，シミュレーションモデルを用いて妨害電磁波の伝搬を高時間分解能で計算し，時系列で可視化することによりIEMIによる機密性・完全性低下のメカニズムを解明し，（２）得られたメカニズムとリスク評価の結果を基に電気的な対策技術の開発を行うとともに，（３）意図的な電磁妨害に対して耐性のある暗号プロトコルの開発を行う。
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| Causes of Carryover |
計画を大きく超える成果を得ることができたことにより当初計画以上の研究会合発表を行う必要が生じたことに対応するため，また，研究費を効率的に使用するために，今年度の物品費予算を節約することにして，シミュレーションモデルの検討に用いるソフトウェアのライセンスの期間を調整し，実験機材については現有のものを活用するよう工夫した。その節約の効果として，研究成果発表の旅費や学会参加費などが増大したものを補っても未使用額が生じた。これを次年度の研究成果発表のために研究会合出席する旅費に充てることとした。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度の後半に得られた研究成果について，27年度に環境電磁工学分野などの国際会議において発表を行うこととしているので，未使用額はその経費に充てることとしたい。
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Research Products
(15 results)
