2014 Fiscal Year Annual Research Report
超コンパクト次世代超伝導コイル機器を実現する線材/コイルのインターフェース技術
Project/Area Number |
25289070
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中込 秀樹 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20375611)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 熱暴走 / 超伝導特性の劣化 / 遮蔽電流磁場 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代の超伝導コイルシステムを革新する技術として期待されるREBCOコイルの技術課題(超伝導特性の劣化、遮蔽電流磁場による磁場精度の低下、熱暴走によるコイルの損傷)を解決するための技術を研究した。 エポキシ含浸によるコイル特性の劣化を防ぐために、REBCO線材の表面にポリイミド電着被膜をコーティングすることが有効であることが、これまでの研究で分かっている。しかし、実際のコイルに必要となる長尺のREBCO線材に均一なコーティングを施すことは困難であり、これまで成功していなかった。今回、コーティングプロセスの最適化により、始めて数十メートル級の長尺線材にコーティングを施すことができた。 REBCOコイルにおける遮蔽電流磁場を抜本的に低減するために、幅狭REBCO線材・超伝導層を分割した多芯化REBCO線材を用いた2種類のコイルを製作して中心磁場を測定した。どちらのケースでも遮蔽電流磁場が明確に小さくなることを明らかにした。また、これらのコイルの遮蔽電流磁場を数値解析し、コイルの中でどのように遮蔽電流が分布しているかをとらえた。 REBCOコイルが熱暴走を起こした場合の保護技術として、絶縁を用いない非絶縁方式の有用性が期待されているが、この方式では、励磁遅れと呼ばれる現象が実用上問題になる可能性がある。小型の非絶縁REBCOコイルを製作し、励磁遅れ時間を定量化したところ、別のプロジェクトで製作した中型の非絶縁REBCOコイルと比べ、励磁遅れ時間が予測より大幅に短いことが明らかになった。この差異は、本技術を実用化する上で重要であり、今後の研究で十分な検証を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
REBCO高温超伝導コイルの3つの主要な技術課題について、それぞれ重要な知見を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
REBCO高温超伝導コイルの3つの主要な技術課題について、実用化を念頭に置いた研究を進める必要がある。また、別の種類の有望な高温超伝導線材の技術が進展してきており、これらを併せて研究対象としていく。
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Causes of Carryover |
研究を実施していく中において、計画よりも解析作業等の補助業務を要する期間が短くなったため、技術補佐員の人件費が当初予定していた額より少なくなり年度内の完了が困難となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度も解析作業等の補助業務に係る人員が必要となるため、技術補佐員の人件費として使用を計画している。
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Research Products
(6 results)