2013 Fiscal Year Annual Research Report
パワーデカップリング機能を持つ高効率・長寿命パワーコンディショナの開発
Project/Area Number |
25289077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
清水 敏久 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (30254155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 圭二 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (00326018)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 新エネルギー / 太陽光発電 / パワーコンディショナ / 高効率化 / 延命化 |
Research Abstract |
当初の研究計画に沿って以下の研究を行い,所期の成果を挙げた。 研究課題1:高効率パワーデカップリング技術の開発 入出力の絶縁機能を持つ出力電力500Wのパワーデカップリング形パワーコンディショナの設計,製作,および実験評価を行った。また,インバータ部分とパワーデカップリング部分の制御を調和的に行える新たな制御方式の開発も行い,実験機に実装して評価試験を行った。その結果,開発したパワーデカップリング回路は,非常に優れた直流入力電圧脈動除去性能を得るとともに,パワーデカップリング動作時の効率低下は最大でも2%以下であり,非常に優れた性能を確認した。また,インバータ部の系統連系性能は従来のインバータと遜色ない性能が得られることも確認した。上記を踏まえて,非絶縁形により更なる効率向上が期待できるパワーコンディショナについて,主回路と制御回路の設計を行った。また,回路シミュレータを用いて動作機能の検証を行い,当初に想定した動作を行う事を確認した。 研究課題2:インダクタの鉄損と銅損の分離計測技術 鉄系パウダを磁性材料とするトロイダルコアを用いたインダクタを降圧チョッパ回路に使用した場合の,インダクタの鉄損と銅損の分離計測を行った。研究者らが既に開発した鉄損測定装置によって計測した鉄損値と,高精度電力計を用いて計測した全損失の差分から銅損を算定する手法を実施し,良好な分離計測が行えることを確認した。その結果,スイッチング周波数20kHz,リプル率10%程度の動作条件の場合,銅損は電線の表皮効果による抵抗値の増加の影響は極めて少なく,直流抵抗の値を使用できることが明らかとなった。これらの成果を用いて,インダクタの損失最適化に関する予備実験を行い,損失が極小となる設計条件が存在しうることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題1については,絶縁機能を持つパワーデカップリング形パワーコンディショナの設計,製作,評価試験を行い,パワーデカップリング性能,系統連系性能,効率改善のいずれの評価項目についても所期の性能を満たしていることを確認し,所期の成果を挙げた。さらに非絶縁方式についても回路動作についてシミュレーションにて検証を行い,次年度の研究に繋がる成果が得られたと評価している。 研究課題2については鉄損と銅損の高精度測定手法を開発し,これを用いてインダクタの鉄損と銅損の分離計測が高精度に行えることを検証できた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題1については,非絶縁方式のパワーデカップリング形パワーコンディショナの詳細設計と試験装置の製作,および実験検証を行う予定である。 研究課題2については,磁性体内部の磁束密度不均一に伴う鉄損計測誤差について,予備的に対応策を検証しているので,その実現に向けた研究を行う。それを踏まえて,インダクタの最適設計法の考察を行い,有益な手法の開発を行う。 研究課題3については,既に原理的考察を完了しているコンデンサの過渡損失計測装置の設計と製作を行い,基本性能の評価試験を行う予定である。 上記,3つの研究課題は予定通り実施可能であることも確認済みである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度分の研究経費は概ね予定通り執行したが,H26年5月に開催される国際会議の参加費(約20万円)とその旅費(約10万円)の執行に関して,会議開催年度でないと会計処理できないため,翌年度に繰り越すことになった。また,残りの繰り越し分(主として謝金)については研究が当初予想より順調に進展したため,謝金支払額が減少したためであるが,翌年度に執行の予定がある。 H26年5月に開催される国際会議の参加費および旅費で使用する事は確実である。また,謝金についても次年度の当初研究計画に織り込んである。
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Research Products
(8 results)