2013 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン中のドーパント原子を用いた高精度電荷制御の研究
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25289098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小野 行徳 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (80374073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 匡寛 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 助教 (50643269)
土屋 敏章 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (20304248)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 単一電子 / チャージポンピング / 不純物原子 |
Research Abstract |
平成25年度は、特に再結合過程を用いた電子転送を念頭に、チャージポンピング法の新しい評価手法を検討した。同手法は、再結合過程の実時間観察を可能にするものであり、これまでの評価法に比べ、より多くの情報を得ることができるようになると期待される。 また、単電子のダイナミクスを見るための測定系を立ち上げることを前提として、ランダムテレグラフシグナルの観測を行い、特異な3値の信号が観測されるなど、新しい現象も顕在化しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しい測定手法が順調に立ち上がった。本手法は世界にも例がなく、今後汎用性の高い評価手法として期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に立ち上げた新手法を基軸にして、再結合過程を利用した単一電子転送の精度評価に着手する。 インジウムなどのアクセプターにおける電子捕獲(電子正孔再結合)過程は、発光(フォノンとノンフォノン)過程と非発光(オージェ)過程が共存している。間接半導体であるシリコンでは発光プロセスによる緩和時間が長く、したがってオージェ過程が支配的となるため、一般にシリコンは非発光である。しかしながら、オージェ過程のための余剰電子が存在しない場合はその限りでなく、(周囲に欠陥等の非発光中心がなければ)発光プロセスが支配的になると期待できる。本年度は、チャージポンピングの過程において、インジウム原子への電子供給プロセスに当該電荷転送技術を適用する。これにより、供給電子数を制限し、オージェ過程を抑制できることを実証する。オージェ過程と発光過程では、その緩和時間の電子数依存性、温度依存性が異なるため、これらの関数として、転送電流の周波数応答を調べる。これにより、発光過程が支配的となる実験条件を明らかにする。 また、EDMRと本手法を併用した新しい電荷輸送評価手法を確立していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
その他(分析費等)の支出が抑えられたため。 繰り越し分は、次年度の旅費に充てる。
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Research Products
(8 results)