2013 Fiscal Year Annual Research Report
弾性波動解析を援用したカスタマイズド衝撃弾性波非破壊評価システムの提案
Project/Area Number |
25289132
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鎌田 敏郎 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10224651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 相勲 東北学院大学, 工学部, 教授 (20377807)
内田 慎哉 立命館大学, 理工学部, 講師 (70543461)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コンクリート / 弾性波動解析 / 衝撃弾性波法 |
Research Abstract |
評価対象(I:トンネル覆工コンクリート、フーチング等の部材厚さ、II:道路橋RC床版内部に生じる水平ひび割れ、III:橋梁PC桁のPCグラウト充填状況)ごとに、検討すべき範囲(部材諸元・欠陥情報等)を明確にした。その後、弾性波動解析プログラムを作成し、この解析結果と供試体実験での確認実験に基づき、本評価システムの適用範囲を明らかにした。 ①評価対象I~IIIごとの検討範囲の整理:評価対象I~IIIごとに検討範囲(部材諸元・欠陥情報)を文献調査、あるいは研究連携先(東海旅客鉄道株式会社他)へのヒヤリングを行い検討範囲を明確にした。 ②評価対象I~IIIに対応した基本実験供試体の製作および計測による弾性波挙動の把握:評価対象I~IIIごとに基本実験供試体を製作した。また、弾性波入力の再現性を改善するため複数の鋼球を入力でき、打撃時の衝突速度がコントロールできる打撃装置の部分試作を行った。 ③評価対象I~IIIに対応した基本解析モデルでの弾性波挙動の把握と弾性波動解析プログラムの試作および適用範囲の明確化:上記②の基本実験供試体の解析モデルを作成し、汎用的な衝撃応答解析により供試体での計測結果と基本解析モデルでの計算結果との対応関係を把握した。またヘルツの接触理論に基づく弾性波入力方法、要素設定、弾性波境界条件等の検討を行った。次に①で整理した評価対象I~IIIの検討範囲に対して解析モデルを作成し、弾性波挙動を把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、評価対象(I:トンネル覆工コンクリート、フーチング等の部材厚さ、II:道路橋RC床版内部に生じる水平ひび割れ、III:橋梁PC桁のPCグラウト充填状況)ごとに、検討すべき範囲(部材諸元・欠陥情報等)を明確にし、弾性波動解析プログラムを作成し、この解析結果と供試体実験での確認実験に基づき、本評価システムの適用範囲を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度実施した衝撃応答解析に基づき、従来の標準的な衝撃弾性波法で評価が困難な対象について明確になったため、今後以下の研究を推進する。 ④基本解析モデルを用いた弾性波入力・受浸・波形分析方法の改善:弾性波の入力方法(打撃方法、鋼球直径、打撃位置)、弾性波の受信方法(センサの設置位置および数)、波形分析方法(波形処理、周波数分析方法)の改良を行う。 ⑤「カスタマイズド評価システム」の構築:④において改善した「弾性波入力・受浸・波形分析方法」を用いて②で製作した基本実験供試体を対象に計測を行い、「カスタマイズド評価システム」の有効性を供試体レベルで検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度以降、基本解析モデルを用いた弾性波入力・受信・波形分析方法の改善、「カスタマイズド評価システム」の構築(平成26年度)を計画しており、実構造物における「カスタマイズド評価システム」の有効性の検証、「カスタマイズド評価システム」の提案(平成27年度)を計画しており、次年度使用額が発生した。 平成26年度:④基本解析モデルを用いた弾性波入力・受信・波形分析方法の改善において、弾性波の入力方法(打撃方法、鋼球直径、打撃位置)、弾性波の受信方法(センサの設置位置および数)、波形分析方法(波形処理、波形分析方法)の改善を行う。また、「カスタマイズド評価システム」の構築において、④において改善した弾性波入力・受信・波形分析方法を用いて、②で製作した基本実験供試体を対象に計測を行い、「カスタマイズド評価システム」の有効性を供試体レベルで検証する。④の結果によっては、評価対象に適した各種センサ(加速度/速度/変位センサ)を自作し、これらを用いた計測を行う。また、必要に応じて「弾性波動解析プログラム」の改良についても検討する。これらの検討を踏まえて、「カスタマイズド評価システム」を構築する。高度な波形分析を実施する必要性から、波形分析プログラムソフト(Matlab)の購入も行う。
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