2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25289139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
園田 佳巨 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40304737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
別府 万寿博 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, その他部局等, 准教授 (90532797)
玉井 宏樹 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20509632)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 衝撃的脆性破壊 / コンクリート構造 / 性能照査 / SPH法 |
Research Abstract |
平成25年度の研究は,1)コンクリート構造の脆性的な破壊挙動をシミュレート可能な解析手法の開発と,2)典型的なコンクリート構造の衝撃的脆性破壊挙動の再現およびその有効な対策となるUFC(超高強度繊維補強コンクリート)の性能評価実験の2点について実施した。その結果として, 1)の解析手法の開発については,SPH法を鉄筋コンクリート部材に適用した解析プログ ラムを完成させ,コンクリートの引張軟化および鉄筋との付着すべりを考慮した解析を 行うことで,脆性的なひび割れの進展による破壊現象をシミュレートできることを確認 している。 2)の衝撃実験によるアプローチでは,分担者の別府氏が重錐落下試験において,通常の RC版であれば衝突部近傍に局部破壊が生じて押し抜きせん断モードが得られる条件で UFC部材とすることで耐衝撃性能が3倍まで向上すること,プレストレスを部材に導入 することで衝撃荷重を受けた後の残留変位を低減できることなどを確認している。 以上の成果をもとに,平成26年度は,通常のコンクリート部材(無筋,鉄筋有り)の 衝撃的脆性破壊の定量的評価およびUFCなどの繊維補強された部材の性能評価を行う予定である。また,PBL部材などの鋼・コンクリート複合構造の衝撃的脆性破壊についても解析的なアプローチを行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に,平成25年度において衝撃実験によるコンクリート部材の耐衝撃性能の評価を行っていること,SPH法を適用したコンクリート部材の解析プログラムを概ね完成させて,RCはりの曲げ・せん断モードが混在した衝撃破壊,RC版の押し抜きせん断破壊のシミュレーションを可能としていること から概ね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,コンクリート構造物に衝撃的な外力が作用した際の終局耐力の評価(殆どのケースで静的耐力よりも増加すると考えられる)およびひび割れの進展による脆性的な 破壊が発生する条件を把握し,コンクリート構造物の実設計に反映できる知見を得ることを課題としている。 そのためには,脆性的な破壊につながる典型的な破壊モードを選択し,同モードの再現実験と解析シミュレーションを行うことで,両者の結果を融合させた安全性照査法の提案を行うことを考えている。
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