2013 Fiscal Year Annual Research Report
浚渫土防災ブロックを活用した新形式津波防波堤の開発研究
Project/Area Number |
25289149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笠間 清伸 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10315111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
善 功企 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任教授 (50304754)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 浚渫 / リサイクル / 高強度 / 大型化 / 固化処理土 |
Research Abstract |
本研究では,小型高圧脱水装置により作製したスラグ石灰混合浚渫土の強度特性を把握し,その結果から強度分析を行い,強度予測のフローを提案した.また,大型脱水装置により作製したスラグ石灰混合浚渫土の基礎性能評価を行うために室内実験を行った.さらに,大型脱水装置により作製した浚渫土ブロックの基礎性能評価を行うために暴露実験を行った.本研究により得られた主な結論は,以下に示すとおりである. (1)小型脱水装置により作製したスラグ石灰混合浚渫土の強度発現には,結合材である高炉スラグ微粉末の混合率を増加させることだけでなく,母材の物理特性,消石灰の混合率および水スラグ石灰重量比など,様々な要因があると考えられる.その条件を満たすことによって,スラグ石灰混合浚渫土の一軸圧縮強さが最大で25.48MPaの強度発現に導くことができた.(2)大型脱水装置により作製された浚渫土ブロックは母材の違いにより大きく脱水終了時間が変わることが分かった.また,スラグ石灰混合浚渫土の場合,脱水終了時間が3000分ほどかかった.これは,母材の粒度の違いおよびスラグと石灰の固化反応とセメントの固化反応の違いが原因であると考えられる.(3)本研究で作製した浚渫土ブロックは,41ヶ月どの環境に暴露してもコンクリートに匹敵する強度を維持できるといえる.(4)乾湿および海中暴露した浚渫土ブロックに付着した生物は,対照区とほぼ同様であった.したがって,浚渫土ブロックは,他のコンクリート製海洋構造物と同様に用いることができる.(5)(1)よりスラグ石灰混合浚渫土の強度発現には様々な要因があることが分かったので,主成分分析を行い,重回帰分析を行うことで,スラグ石灰混合浚渫土の一軸圧縮強さの予測フローを提案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,以下の1)と2)を研究実施計画として挙げていた。 1)防災ブロックの製造を目的とした高圧脱水成形装置の開発 2)実海洋環境条件における浚渫土防災ブロックの長期耐久性と環境工学的な安定性の評価 1)と2)に関しては,90%程度の研究成果を出すことができていることから,当初の研究計画に沿っておおむね順調に展開していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では主に,小型脱水装置により作製したスラグ石灰混合浚渫土の強度特性を把握し,主成分分析により,配合条件からスラグ石灰混合浚渫土の一軸圧縮強さの予測を正確に行うことを目的とした.しかし,予測値と実測値の相関が0.8以上あるが,配合条件設定の行い方次第では,実測値と大きく異なる予測値が算出された.本研究では,これは母材の種類および配合ケースの数が足りない事が考えられる.また,アルカリ刺激材の効果にもより着目が必要であると考えられる.多くのデータからより精度の高い予測フローができれば,どんな浚渫土であっても,どれほどのスラグと石灰の混合率で高強度化を実現できるか算出できる実用性のあるフローができると思われる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
定期的な研究打ち合わせの実施,それに伴う研究計画の見直しなどを行うことで,研究費の効率的な使用と集中化を行った。また,電子ジャーナルや電子書籍などを積極的に使用して,資料収集のための出張の回数を削減した。 今年も研究費の効率的な使用と集中化を行い,より効率よく多くの研究成果を出せる設備や体制を整備する。また,今年度は,初年度に得られた研究成果の公表・公開のための学会参加を積極的に行い効率的な研究費の使用に努める。
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Research Products
(6 results)