2013 Fiscal Year Annual Research Report
人口減少下の持続的都市間交通ネットワーク計画論の確立
Project/Area Number |
25289157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥村 誠 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (00194514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚井 誠人 広島大学, 工学研究院, 准教授 (70304409)
金子 雄一郎 日本大学, 理工学部, 准教授 (40434112)
日比野 直彦 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (10318206)
大窪 和明 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (50546744)
金 進英 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (30467451)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 都市間交通 / 数理計画法 / ネットワーク / 行動分析 |
Research Abstract |
平成25年度は本研究の1年目にあたり,ネットワーク計画を行うに当たり基本となる情報を集め,モデルの枠組みの設定に向けた研究を行った.合わせて,実務者や関連する分野の研究者との情報交換の仕組みを作る目的で,土木学会土木計画学研究委員会の中に都市間交通研究小委員会を設置していただき,委員長に本研究の代表者である奥村が,幹事長に本研究の分担者である広島大学の塚井准教授が就任した.そのもとで4回の研究会を実施し,本研究の狙いと25年度の研究成果の報告と幹線旅客準流動調査の在り方に関する議論を行った.また,26年度末の新幹線稼業を控える石川県において,航空交通研究小委員会と合同の現地ヒアリング会議を開催し,実務レベルの課題の情報収集を行った. 具体的な研究活動の進展は以下のようである. 計画書に記載した(1)需要減少期の交通需要の傾向と交通行動の分析については,第5回全国純流動調査の個票データの入手時期が遅くなったため,他の代替的なデータの活用可能性を検討し,社会生活基本調査における国内宿泊旅行回数のデータに着目して経年変化の分析に着手し,目的別に行動者率と平均旅行回数の分布が大きく異なることが確認できている. (2)ネットワークの要求性能と最適化の概念整理については,先行的に開発してきた最適ネットワーク計画モデルのひな型を仮想の単純ネットワークおよびトルコ国の簡易なネットワークに適用することを通じて,利用者視点からの総交通費,総所要時間,運営者視点からの総運行費用,社会的視点としての環境性のの間のトレードオフ関係を分析した結果を国内学会,国際学会でパネル発表,口頭発表し,その成果を査読付論文として投稿準備している段階にある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書作成時に比べ,第5回全国幹線旅客純流動調査の個票データの公開が遅くなったことはマイナスの要因であったが,新たに代替的なデータの入手可能性を確認した結果,総務省が5年おきに実施している社会生活基本調査における都道府県別の目的別国内宿泊旅行回数の分布という調査データが利用できることが収穫であった. また,実務レベルの研究ニーズをつかむために,土木学会土木計画学研究委員会の下に都市間旅客交通研究小委員会が設置されたことにより,広く研究ニーズについての情報を交換する体制が整った.ただし,具体的な日程設定には困難があり,いまだ会合を定期化するには至っていない. 具体的な研究活動については,先行研究のなかでひな型に当たるモデルを用意できていたため,円滑に進めることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
新たに研究対象とする社会生活基本調査データについては,これまで都道府県別目的別の集計値を用いて分析を進めてきたが,幹線旅客純流動調査と概念等にずれがあり,整合性を持たせることが容易ではない.しかし,総務省への申請により匿名個票データも利用できることが分かったため,それらの情報を活用して幹線旅客純流動調査との接続を図ることとしたい. また,本研究に準備段階及び25年度において,ひな型モデルの開発・適用の作業を補助してきた博士課程学生が年度末に学位を取得したが,引き続き26年度に研究支援者として雇用して,実証研究の展開を加速させることとする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
分析に用いるべき第5回全国幹線旅客純流動調査の個票の公開時期が延びたため,作業に必要とする謝金などに残額が生じた. 次年度には,これまでモデル分析作業を補助してきた博士課程学生が3月末で学位取得したため,研究支援者として雇用して研究を加速させたい.そのための人件費の一部に充当する予定である.
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Research Products
(9 results)