2013 Fiscal Year Annual Research Report
アジア・ヨーロッパ大陸間のマルチモード国際物流シミュレーションモデルと政策分析
Project/Area Number |
25289159
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴崎 隆一 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (50323514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 浩徳 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70272359)
鳩山 紀一郎 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (60361523)
石黒 一彦 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (60282034)
渡部 大輔 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (30435771)
鳥海 重喜 中央大学, 理工学部, 助教 (60455441)
菅原 淳子 電気通信大学, 国際交流センター, 准教授 (00631277)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際物流 / 交通計画 / 経路選択 |
Research Abstract |
1)研究テーマ①:東アジア=欧州間国際貨物輸送の輸送ルート別実態調査、研究テーマ②:国際貨物輸送の動向に関する地域別調査の一環として、中央アジア地域(アゼルバイジャン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、キルギス、中国新疆ウイグル自治区)の現地調査を行った。各国において政府関係者、物流業者、荷主(商社など)へインタビューを行うとともに、実際に主要国境地点を訪問するなどして、越境輸送の実態の把握に努めた(柴崎・加藤)。またこれに関連し、CAREC(中央アジア地域敬愛協力)などを通じて中央アジア地域における交通分野の国際協力を中心的に推進しているアジア開発銀行(ADB)と連携し、ADB内部に蓄積されている情報の収集・発掘を行った(加藤・柴崎)。さらに、拡張工事の進むパナマ運河についても、研究代表者が他の業務において訪問する機会があったため、ヒアリング調査を実施するなど、情報収集を行った(柴崎・菅原)。 2)研究テーマ③:海賊発生に関する地理的分析に関連し、国際海運の安定的運航を大きく阻害しているソマリア周辺海域で発生する海賊活動の地理的特性を明らかにすることを目的とし、海賊出没位置の空間データベースを作成した上で,カーネル密度推定等の空間分析手法を用いて長期的な海賊出没位置の変化を分析した(渡部・鳥海)。 3)研究テーマ④:東アジア=欧州間国際貨物輸送における各輸送ルートの現状について情報収集・データ分析を行い、モデル構築の基礎的情報を収集した(柴崎)。また、北極海航路利用時における船種ごとのコスト構造について情報収集・分析を行った(古市)。 4)研究テーマ⑤:中央アジア地域の国際陸上輸送を対象とした国際物流モデルのプロトタイプを構築した(加藤・柴崎)。モデルとしては、鉄道および越境時のキャパシティを考慮した利用者均衡配分モデルを採用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた内容について、一部実施が遅れたもの(ロシア・北極海航路方面への現地調査は延期、東アジア=欧州間ルート選択モデルは準備段階としてデータ収集・分析のみ実施)、中央アジア地域を対象とした国際物流モデルはプロトタイプモデルが完成し、またパナマ運河に関する情報収集も当初計画以上に進んでいるため、全体的に見ればおおむね順調に進展している。研究グループによる発表もすでに多くなされている(今後の予定も含む)。特に、研究協力者の古市が国際海運経済学会で発表した論文は、当該学会の優秀賞(Maritime Economics & Logistics賞)を受賞するなど、内容も世界的に評価されている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度以降も、平成25年度と同様のペースで研究を進めていきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じた主要な理由は、25年度実施予定だった海外現地調査のうち何件かが、日程調整や準備上等の理由により、次年度以降に繰り越しになったためである。 ロシア・欧州方面の現地調査(大陸横断鉄道、北極海航路に関する現状や将来展望に関する現地訪問調査)を夏から秋にかけての時期に実施予定である。
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