2014 Fiscal Year Annual Research Report
すれちがい通信を利用したリアルタイムな人々の流れ推定技術の開発と実証的検証
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25289162
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
薄井 智貴 名古屋大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (20549448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 陽平 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (50585528)
熊谷 潤 東京大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (90548702)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Bluetooth Low Energy / スマートフォン / センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,電力消費量を最小限抑えた超低消費電力Bluetooth4.0LE(BLE)を用いた相互通信技術「すれちがい通信」に着目し,本技術による歩車間通信,観光回遊行動調査,人流観測など,次世代ITSに向けた新たな活用方法を提案することを最終目的としている. 今年度は,昨年度開発した超小型低消費電力のBluetooth 発信機,および発信電波受信のためのスマートフォンアプリケーションを用いて実証実験を実施した.今年度の実証実験は,次年度の本格的な観光地での実験に向けたプレ実験の位置づけであり,名古屋大学東山キャンパス内をフィールドとして,被験者9名を対象に行った.内容は,被験者9名に小型BLEを配布し,GPSロガーと共に持ち歩いてもらい,そのうち3名にはスマートフォンを渡し,逃げ回る残りの6名を探すというフィールドゲーム形式のものを実施した.本プレ実験の目的は,BLEとスマートフォン通信に関してのデータの計測範囲,電波強度,受信頻度,距離等の確認と,分析方法の検討であり,次年度の本格実験を見据えてのものである.また,実験では,被験者の回遊行動を把握する目的で,フィールドの5カ所に定点観測用の固定受信機も設置し,動的な観測と静的な観測の被験者捕捉率の差異も検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,次年度の観光地での実証実験に向け,昨年度までに開発したデバイスとスマートフォンアプリケーションの実用テストを行い,研究計画通り順調に進んでいる.また,全国の自治体で利用されているスマートフォン観光アプリ763件を調査し,その利用形態や内容,利用者数,価格を把握,次年度開発予定の観光アプリの参考資料とした.さらに,プレ実証実験により得られた実観測データをもとに,次年度実施予定の観光実証実験のデータ解析手法について,データマイニング手法や逐次更新手法などグループ内で検討会を開催するなど,おおむね順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,観光地でのBLEを用いた実証実験を実施し,得られたデータを分析し,観光客の回遊行動および人流を把握する.まず,実証実験のための観光アプリケーションの開発と実験時のログ収集のためのサーバシステムの準備を行う.実証実験は,8月末に京都府京丹後に実施予定で,来訪者に対してBLEを配布し,観光者の移動経路,順序,滞在時間等を計測し,得られたデータを分析することで,回遊行動を把握する予定である.
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Causes of Carryover |
H26年度実施予定であったアプリケーション開発費を低く抑えることができたことと,次年度実証実験で利用予定のBLEセンサが低価格で購入できたことが原因と考える.また,次年度,本格的な実証実験を実施するため,H26年度は規模を少し抑えたプレ実験を行い,翌年の大規模な実験のために費用を繰り越したためである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
観光地での実証実験のために,BLEセンサの追加購入とアプリケーション改良費,実証実験運営費として利用予定である.
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Research Products
(2 results)