2013 Fiscal Year Annual Research Report
充電行動に着目した次世代モビリティの保有・利用需要予測と普及促進策の評価
Project/Area Number |
25289164
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 俊行 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (80273465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 高行 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (30166392)
三輪 富生 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (60422763)
薄井 智貴 名古屋大学, 学内共同利用施設等, 講師 (20549448)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電気自動車 / 急速充電 / 自動車共同利用 / 超小型車 |
Research Abstract |
次世代モビリティの最適化に関しては,約150台の電気自動車を対象とした1年間に及ぶ利用データを用いて,長距離トリップ時におけるトリップ中の充電行動に関して分析した.トリップ中の急速充電は車両のバッテリー容量と密接な関係があり,バッテリー容量の増大による航続可能距離の増加は,電気自動車普及に必要となる急速充電設備の配置密度とトレードオフの関係にある.フロンティアモデルを用いた急速充電タイミングの分析結果より,低速で走行している場合には早目に充電を実施していることや,充電可能場所の知識があるほど充電タイミングが遅く,実際に充電場所が周辺にたくさんあるほど充電タイミングが遅くなることが示された.充電タイミングを遅らせることはバッテリーの効率的な利用を意味し,急速充電設備の整備とその周知のいずれもが重要であることを明らかにした. 次世代自動車の共同利用システムに関しては,フランス・パリにて実施されている電気自動車共同利用システムを対象として,2か年に亘る導入前後の利用者意識調査を実施し,システム入会により公共交通の利用促進など交通行動が変化することを明らかにした.また,電気自動車に対する意識の向上が確認され,共同利用システムが次世代自動車の普及を促進する効果を持つことを示した. 次世代モビリティと現状の車両の混在時の交通状態に関しては,超小型車が普通乗用車と混在する場合に交通流に及ぼす影響について,個々の車両の挙動を再現するミクロシミュレーションモデルを構築し,効率性,安全性,環境性の3つの観点からの分析を行った.超小型車の最高速度についていくつかの仮定でシミュレーションを行った結果,最高速度が30km以下の場合には効率性や安全性が大きく損なわれるが,最高速度が40km以上の場合は効率性や安全性に大きな影響はなく,環境性は大きく向上することが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に記載した3つの研究課題のいずれについても一定の研究成果を挙げており,研究成果の学会発表や論文投稿も着実に行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,次世代モビリティの最適導入シナリオの検討,および,効率的な共同利用システムの検討を進める.次世代モビリティの最適化に関しては,個々の世帯の車種選択行動を与件として,社会的な最適導入シナリオについて分析する.一方,効率的な共同利用システムの検討に関しては,共同利用システムを利用したトリップパターンの分析結果に基づき,共同利用に用いる車両に必要なバッテリー容量,効率的な充電タイミング等に関するシミュレーション分析を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究支援者の雇用開始が遅れた事,及び,他の研究プロジェクトで購入したソフトウェアを流用したことによりソフトウェア購入費用を削減できた事などにより今年度経費の使用が削減された. データ解析の速度を向上させるため,当初計画では計上していなかったデータ整理補助員費等に使用する.
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