2016 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚・粘膜における水分蒸発モデルと乾燥感予測式の開発
Project/Area Number |
25289195
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高田 暁 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20301244)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 乾燥 / 水分 / 皮膚 / 粘膜 / モデル / 被験者実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚・眼球・気道における水分蒸発量を予測するモデルを開発し、水分蒸発量の予測値と乾燥による不快感の対応関係を数式化し、室内の温熱環境条件から乾燥感を予測する体系を構築することを目的としている。具体的には、①皮膚、眼球、気道いずれの部位においても、身体の防御機能として存在するmoisture barrierのメカニズムを、可能な限り単純な解析モデルで表現すること、②人体熱モデルのサブモデルとして、皮膚角質層、眼球と周辺組織、気道における局所伝熱モデルを開発し、皮膚・粘膜の蒸発面温度を十分な精度で表現すること、③実験を通じて乾燥感の個体差を類型化し、乾燥感予測式の適用範囲を明らかにすることを研究目的としている。 平成28年度には、以下の項目について検討を行った。 (1)眼に関する乾燥感の被験者実験とフィールド調査 眼に限定した被験者実験とフィールド調査を行い、瞬きと乾燥感、眼球表面温度の関連性を、複数の被験者間で比較した。乾燥感における個体差の類型化を行うための基礎として、各類型を特徴付けるパラメーターを探索した。眼の場合、コンタクトレンズ装着の有無が結果に及ぼす影響が大きいことを示した。 (2)眼の乾燥感の発現いき値を明確にするための被験者実験 乾燥感の発生しない温熱環境条件を提案するため、低湿度条件下に被験者を曝露し、乾燥感のアンケートを行った。乾燥感の経時変化を採取し、乾燥感の発現の特性について検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乾燥感の発現に関する基礎的知見が得られ、被験者実験やモデル化の展開に対する視野が得られたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
追加の被験者実験を行い、乾燥感と生理量、物理量との関係を整理し、モデル化のまとめを行う。
|
Causes of Carryover |
研究協力者の体調不良により、H28年度に予定していた実験が十分に出来なかったため、その分をH29年度において行うため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初はH28年度末で研究を完了する予定であったが、上記の理由により、H29年度末まで補助事業期間延長する。したがって、当初H28年度に予定していた実験をH29年度に行い、研究のまとめを行う予定である。
|