2013 Fiscal Year Annual Research Report
超節水型トイレ対応排水設備配管システムの計画手法に関する研究
Project/Area Number |
25289201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
大塚 雅之 関東学院大学, 建築・環境学部, 教授 (20288088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 智行 関東学院大学, 建築・環境学部, 准教授 (90385534)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 給排水衛生設備 / 節水型トイレ / 排水設備システム / 排水横管 / 搬送性能 / 排水特性 / シミュレーション / 配管設計 |
Research Abstract |
本研究は、超節水型トイレが建物に設置された場合に、衛生的かつ安全に、生活に支障なく建物・敷地内から汚物やトイレットペーパー等を含む排水を排出できる排水配管システムの計画・設計を行うためのガイドライン作成に資する知見を得ることを目的としたものである。初年度の研究実績は、以下のとおりである。 ①超節水型トイレの導入にあたっての課題点の抽出;一般の居住者の超節水型トイレに対する簡単なアンケート調査を実施し、節水化に対する意識などを把握した。また、実務者が設計導入を行う際に指摘する課題点については、業界誌の関連記事や個別ヒアリング調査の結果から把握した。 ②排水横管内での汚物等の搬送能力の把握とシミュレーション手法の確立;先ず、排水横管内での汚物搬送に影響を及ぼす器具排水特性値を実験的に把握した。その上で、不等流の開水路運動方程式、連続式、角度方程式などを組み合わせて、先に実験で把握した器具排水特性値を流体力学的に予測する検討を行った。その結果、実用レベルで、先の器具排水特性値は計算により求めることができることを示し、その成果を国内外の学会等で報告した。 ③排水横管の曲り継手の形状の影響把握;排水横管内での器具排水特性の変化と搬送性能の低下に影響を及ぼす曲がり継手の形状とその挿入位置の影響について実験的に検討し、配管設計に資する曲り継手の挿入方法に対する方針を示した。解析には、備品として購入した高速度カメラを用いた可視化手法も適用した。 ④換気設備及び外部風条件の外部影響要因の検討;節水トイレの設置された排水立て管システムの伸頂通気管部へ加わる外部風圧の影響をCFD解析により検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、超節水型トイレの排水管内での排水特性の変化や搬送性能を踏まえた配管設計を行うためのガイドラインの作成に資する知見を得ること、設計者と使用者に正しい技術情報や知識を提供することを最終成果としている。そのために、使用者の節水トイレについての必要性などにが明確になったこと、搬送性能に影響を及ぼす器具排水特性を把握し、それをシミュレーション手法により明らかにできたことが成果である。特に実験・解析において、購入備品である光速度カメラも活用して解析が進んでおり、その成果の一部は国内外において学会報告し、そこでの評価も得ている。また、研究分担者による外部風圧の影響についての検討もCFD解析を行い、基礎的な解析を開始し成果を上げている。よって、研究代表者並びに分担者は、概ね順調に各自の研究を進めているものと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度までに用いた節水型トイレを用いて実際に代用汚物を混入させた場合の搬送性能(指標としては搬送距離)を実験値とともに数値シミュレーションを用いて予測する手法を提案し、その有効性を検討する。同時に、学際的な視点から可視化技術を用いて、搬送性能への影響を及ぼす速度要因も明らかにし更に精緻なシミュレーション手法へと発展させる。また、同時に排水立て管システムでの排水能力影響、排水横主管での搬送性能についても検討する。以上の学術的かつ実践的な検討を踏まえ、同時に搬送性能を加味した実務レベルでの排水横枝管の配管設計のガイドライン策定に資するデータの提案を行う。また、外的な要因として、換気設備の運転による室内吸引時における超節水型トイレのトラップ封水に及ぼす影響についても基礎的な検討を実施し明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
搬送性能に関するシミュレーション手法の確立が途中であること、換気設備の運転が排水立て管システムに設置された節水型大便器の排水性能に及ぼす影響に関する実験の実施が遅れていることであり、それらに使用する物品費等の支出が少なかったためである。 次年度に、前記の搬送性能シミュレーションと換気設備の運転が及ぼす影響に関する実験を実施し消化する予定である。
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Research Products
(8 results)