2015 Fiscal Year Annual Research Report
在宅介護環境における臭気の発生メカニズムの解明と有効な対策の考案
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25289202
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Research Institution | Daido University |
Principal Investigator |
光田 恵 大同大学, 情報学部, 教授 (40308812)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 建築環境・設備 / 室内空気質 / 臭気 / 在宅介護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究目的は、これまで行った在宅介護環境の現場調査および臭気成分分析結果から在宅介護環境における主な不快臭である尿臭を対象として、詳細な臭気成分分析を行い、模擬臭を作成し、模擬臭を用いて空間への臭気の拡がりを実験的に把握し、尿臭の対策を検討することである。 (1)尿臭の主要臭気成分の解明:高齢者と若年者の尿臭について臭気成分分析を行い、高齢者の尿臭の特性を把握した。ガスクロマトグラフ分析計等を用いた定量分析と、ガスクロマトグラフ質量分析計を用いた定性分析を行った。その結果、定性分析において、高齢者は若年者より多くの成分が検出された。定量分析においては、高齢者は若年者に比べ臭気成分の濃度が全体的に高く、構成成分としては年代に関係なく3成分が高濃度検出され、尿臭の主要成分と考えられる。 (2)尿臭の模擬臭の作成:尿臭の臭気成分分析結果を基に、高齢者の平均的な尿臭の濃度に調整した模擬臭を作成した。模擬臭の溶媒はおむつ(パッド)への吸収を考慮し、実際の尿に近づけるため純水を使用し、模擬臭試料は体温に近い40℃で保温して用いた。 (3)尿臭の空間への拡がり方の検討:1m3のアクリル製ボックスの中央に、おむつを取り付けたアクリル製のドールを置き、3種類のガスセンサをドールの腹の上(尿臭の漏れの位置と予想される)、太ももの横(尿臭の漏れの位置と予想される)、ボックスの上方(空間の隅)に設置し、空間への尿臭の拡がりを検討した。尿臭については、作成した模擬臭を用いた。 本年度の研究において、尿臭の主要成分を解明し、尿臭の模擬臭を作成した。また、模擬臭を用いておつむ使用時の空間への臭気の拡がり方を把握した。来年度は、本年度の結果を基に具体的な対策の検討を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度までに予定していたデータ収集ができており、来年度、具体的な臭気対策の検討を進められるため
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Strategy for Future Research Activity |
臭気対策の効果の検証を行うにあたっては、実際の介護現場での調査が必要になると考えているが、昨年度から協力者へ依頼を行い、複数から協力の了解が得られており、実験室での検討を終えた後、速やかに現場での効果確認が行える準備を整えている。
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Research Products
(5 results)