2013 Fiscal Year Annual Research Report
利用者特性に即した多目的最適化による空間性能の経時的すりあわせ調整に関する研究
Project/Area Number |
25289203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野城 智也 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30239743)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多目的最適化 / すりあわせ / スマートハウス / エネルギーマネジメント / 利用者特性 |
Research Abstract |
25年度は以下のような点に焦点をあてて研究を進めた。A. 建築の使い方にかかわる利用者特性をセンシング情報など居住者の行動のフットプリント情報からどのように読み解くのか?、言い換えれば、その特性をいかにセンシングし、いかなる評価指標群のセットとして表現するのか? B. 建築の使い方を個々の居住者の特性に対してヒューリスティックにプロセスを経ながらすりあわせていくプロセスを、多目的最適問題としてとらえた場合、どのように定式化できるのか? まず、研究代表者が過去にかかわったエネルギーマネジメント、スマートハウス、住宅履歴書にかかわる諸研究でとりあつかった、すりあわせプロセスを定式化することを試みた、そのうえで次のような、分析考察を進めた。a. 利用者の選好、行動特性や、潜在的要求条件を推定したうえで、利用者特性にかかわる評価指標群を整理した。b. 機器類の自動制御による空間性能調整をするための評価指標群を整理した。c. 建築設備の自動制御のための多目的最適化方法について既往研究の知見を整理した。d. 建築の使い手・管理者による空間性能調整行動による経時的「すりあわせ調整」の実態を情報モデルとして記述した。 これら分析考察を踏まえて、センサーの種類、配置を検討したうえで、室内外環境計測データ、機器作動記録、エネルギー使用データ、利用者行動記録を収集するためのセンサー類、通信機器をケーススタディ対象の建物に設置し、データ収集を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
評価指標それぞれの重みづけを如何に扱うかを考察するためには、さまざまなステークホルダーに対するアンケートもしくはstructured interview が不可欠であるが、その企画実行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ケーススタディ建物におけるデータ収集・分析の円滑化を図る。 本研究で定式化しようとしている多目的最適化が、論理的に不適切がないかを確認するため、応用数学又は数理工学の専門家に助言を求める。 またステークホルダーを対象とした調査について、各ステークホルダー・グループの協力が得られるように、交渉の促進を図る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ステークホルダー・グループへの協力要請しているものの、同意を得るに至らず、ステークホルダーなどを対象とした調査及びそれにかかわる分析作業等が実施できなかったため、そのために計上した費用等が未執行となった。 当初の研究計画で企図したステークホルダーなどを対象とした調査及びそれにかかわる分析作業にかかわる費用として使用する。
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