2015 Fiscal Year Annual Research Report
シビアな環境汚染除染以降のブラウンフィールド問題とリスクコミュニケーションの課題
Project/Area Number |
25289207
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿部 浩和 大阪大学, サイバーメディアセンター, 教授 (20346125)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 智子 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (30351240)
黒瀬 武史 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50598597)
保高 徹生 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 研究員 (60610417)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 土壌汚染 / 都市再生 / リスクコミュニケーション / スティグマ / 国際研究者交流 / イギリス、ドイツ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、英国リバプール近郊とドイツルール地方おけるブラウンフィールドとGI(グリーンインフラ)の事例調査を行うと共に、福島の避難指示解除準備地域における住民帰還に向けた取り組みの一環として現地ワークショップを実施した。またこれまでの研究成果を踏まえて、2016年3月に英国、ドイツの研究者を日本へ招聘しブラウンフィールド再生に関する国際共同ワークショップを開催した。 本研究はシビアな環境汚染除染以降に発生することが予測されるブラウンフィールド問題をリスクマネジメントの観点で検討することにある。福島でのワークショップではGI(グリーンインフラ)をベースにした持続可能な再生スキームの一つとして、放射能汚染の除染対策の情報共有から里山の使用と農作物の栽培等によるライフサイクル回復の実践を通して、除染地の帰還に向けたまちづくりについて意見交換を行った。特に除染地の回復フェーズにおいては汚染による環境リスクへの懸念から生じる心理的ダメージを軽減することが重要であり、適切なリスクコミュニケーションと住民と専門家の迅速で正確な情報共有が必要であることを示した。 また2016年3月に大阪大学で開催された国際共同ワークショップでは、シビアな環境土壌汚染地の再生に関して、英国、米国におけるGI化の事例が報告され、特に人口減少や社会の縮退化が進む地方都市のコンテキストにおいては、巨額の資本を投入して強引に再開発するのではなく、生態系サービスによってレジリエントで持続可能な社会的インフラとしてのGIによる再生方策の可能性が示された。またそれを実現するためには単に環境面での恩恵を主張するだけでなく、経済的な裏付けの元に、その地域に根ざした文化的再生戦略も不可欠であること、中でもコミュニティ活動の重要性が指摘された。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|