2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規理論に基づく無機系電気光学結晶の開発と特性評価
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25289224
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鶴見 敬章 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (70188647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 博明 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (00324971)
保科 拓也 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (80509399)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 単結晶 / 電気光学効果 / 非鉛系材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、チタバリ系固溶体の中でリラクサ強誘電体材料に着目し、そのセラミックスを作製してEO効果を評価し、同材料のEO効果の発現メカニズムを明らかにすることを目的とした。具体的な組成系はBaTiO3-BaZrO3系、BaTiO3-CaTiO3-BaZrO3系、BaTiO3-CaTiO3-BaTiO3系である。無機強誘電体のEO効果の発現メカニズムは①光弾性効果に因るもの、②分極に因るものの二つが提案されており、そのどちらに属するかを判定するため、上記の3試料について電歪効果、分極、EO効果の温度特性を評価した。その結果、電歪効果や分極はあまり温度に依存しないものの、EO効果の測定値は温度に大きく依存し、①と②のどちらのメカニズムにも反するような結果が得られた。そこで、リラクサ強誘電体における非常に局所的な分極領域(Polar Nano Region; PNR)の配向を考慮してランジュバン方程式を拡張したモデルを構築し、分極と複屈折の電界依存性の計算を行った。その結果、PNRの取りえる配向方向を制限することによって、複屈折の電界依存性は大きく異なるが、分極―電界特性はあまり変化しないということが明らかになった。このことから、EO効果の測定値が高い温度依存性を、低温相の対称性によるPNRの配向方向を考慮すればよいことが分かった。よって、チタバリ系リラクサ強誘電体材料の巨大なEO効果の起源は以下のように説明される。まず、リラクサ強誘電体のセラミックス内のPNR自身が複屈折を持ち、それが配向することによってマクロスコピックな複屈折が生まれる。その複屈折の大きさはPNRの取りえる配向方向が制限されることで変化する。誘電率最大を示す温度より低温では、低温相の対称性によりPNRの配向方向がさらに制限されるため巨大なEO効果を示す。本研究成果は今後の新規電気光学結晶の探索指針となりえる
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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