2014 Fiscal Year Annual Research Report
電子および光機能を有する水酸化物イオン伝導性層状複水酸化物の創製
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25289230
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
忠永 清治 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90244657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 幹雄 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40198990)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 層状複水酸化物 / 水酸化物イオン伝導性 / 燃料電池 / 金属-空気電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれはこれまでに、層状複水酸化物(LDH)が、加湿下で高い水酸化物イオン伝導性を示すことを見出している。この剤y労を様々な電気化学素子へ応用するためには、水酸化物イオン伝導性の向上が重要であるが、さらに、無機材料の特徴を生かして、水酸化物イオン伝導性に電子伝導性や光機能性を付与できれば、応用範囲が大きく広がることが期待できる。本研究では、LDHの水酸化物イオン伝導性に、電子伝導性あるいは光機能性を付与した、新たな複合的な機能を有するLDHを創出し、これを様々なデバイスに適用することを目的としている。 本年度は以下の点について研究を進めた。 MnドープNi-Al系LDHおよびMn-ドープNi-Fe系LDHに関して、アルカリ型燃料電池、あるいは金属-空気電池用の空気極への触媒層への混合効果を検討し、電子伝導度が比較的大きいMn-ドープNi-Fe系LDHを触媒層に混合したとき、もっとも大きな酸素還元電量が得られることがわかった。 Mg-Al系LDHおよびNi-Al系LDHをセパレータ部分に用いた水素―酸素燃料電池を構築し、MnO2を酸素極触媒に用いた場合でも、燃料電池が発電することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イオン伝導性に比べると電子伝導性は非常に低いが、少しでも電子伝導性が高い系において、燃料電池や金属-空気電池の空気極において、大きな酸素還元電流を流れることを確認したことは、電子伝導性の付与が非常に大事であることを証明している。 また、燃料電池や金属―空気電池といったデバイスに応用する点についても、順調に評価を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
電子伝導性とイオン伝導性を兼ね備えたLDHの開発を引き続き行う。また、金属-空気電池の構築などについてさらに検討を進める。その他の電気化学デバイスへの応用についても検討を進める。
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Causes of Carryover |
燃料電池などの空気極の触媒活性の評価については、実際のセルを用いての評価を中心することを優先したために、回転ディスク電極装置の導入のタイミング遅くなったことが次年度使用額が生じた大きな理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
回転ディスク電極装置を購入し、電解液中での触媒活性の評価を行う。
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