2014 Fiscal Year Annual Research Report
強磁場を用いた新規な微構造組織を実現するセラミックス創製プロセスに関する研究
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25289264
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
鈴木 達 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端材料プロセスユニット, 主席研究員 (50267407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣澤 英樹 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (30354137)
鈴木 義和 筑波大学, 数理物質科学研究科(系), 准教授 (40357281)
打越 哲郎 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端材料プロセスユニット, グループリーダー (90354216)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 結晶配向 / 強磁場 / セラミックス / 微構造制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
強磁場中電気泳動堆積法により配向積層制御したアルミナ焼結体での蛍光分光計を用いた残留応力測定において、面分析を行った場合に層状構造を反映したピークシフトが得られる事を見出し、残留応力が配向方位を制御した各層において異なっていることが示唆される結果を得た。キャリブレーションなどを詳細に行うことにより、定量的な留応力分布が得られると期待できる。 強磁場電気泳動堆積法において磁場と電場のなす角度の制御を平面的な変化だけでなく回転を加味した稼働が可能となる治具を作製した。この治具を用いて螺旋制御された微構造を示唆する結果を得ることに成功した。 ゾルゲル法を用いて粉末表面にアルミナを修飾した炭化ケイ素粉末を作製し、この表面のアルミナが助剤としての機能と分散を安定させる機能との二つの効果を果たすことを期待して、磁場中配向と緻密化を可能にすることを試みた。しかしながらゾルゲル法での表面修飾過程で残存したイオンが電気泳動を妨げ、このままでの堆積が難しいことが判明した。プロセスの再検討を行い、電気泳動堆積が可能となるスラリー作製条件の改善指針を得た。 窒化アルミニウムの配向性向上のためにジェットミルを用いた原料粒子のネックの解砕を試みたが、効率よくネックを破壊する条件を見出すことは出来なかった。しかし、助剤のミリング条件を検討することにより、助剤を試料内に均一分散させることが可能となり、透明性の向上が図られた。また、1800℃窒素中での10時間熱処理により、助剤により形成されたと考えられる粒界相の削減が可能であることを明らかにした。破壊モードは粒内破壊から粒界破壊に移行し、粒界相は強度が高く、それが無くなることにより粒界破壊に変化することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
配向積層体の残留応力解析に関して、若干の遅れがあるものの従来計画していた解析よりもさらに定量的に空間分解能を高くした解析が出来る手法を見出すことができた。 強磁場中電気泳動堆積法を用いた螺旋構造の構築に関しては、焼結後の螺旋構造の解析に着手できている。 配向AlNでの透光性向上と熱伝導度の同時向上を示唆する結果が得られている。また、焼結後の助剤による粒界相の生成の観察などの微構造の詳細な解析が概ね順調に進んでいる。 磁場中電気泳動堆積法を用いて、表面修飾を行った炭化ケイ素での配向積層を試みているが、ゾルゲル法を行ったままのスラリーでは堆積が難しいことがわかり、残存イオンの除去を行うことがより効率よく、また制御性を高めるための対策として効果が期待できることを見出している。 1軸配向および3軸配向の配向発達過程の解析において電子線後方散乱回折法を用いた評価を計画どおりに進展させている。
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Strategy for Future Research Activity |
磁場と電場の角度制御に回転を加味した磁場中電気泳動堆積法を用いたアルミナの螺旋構造制御において、微構造における配向方位の詳細な解析に電子線後方散乱回折法を用いてさらに進める。また、この解析結果を用いて、構造制御へフィードバックする。 アルミナと炭化ケイ素の配向積層構造の制御において、残留応力の測定を面分析で定量性を加味して行い、配向方位および積層構造と残留応力との関係を各層内での分布も含めて解析し、亀裂進展に及ぼす影響を検討する。 配向透明セラミックスの作製において窒化アルミニウムに関しては、粒界相を低減させることで透光性向上を試み、全透過率と直線透過性の測定を行い、配向制御の効果について検討する。また、配向アルミナに透光性を付与することを試みるため、まずは、スリップキャストにより作製したアルミナ成形体を用いて放電プラズマ焼結およびミリ波を用いた焼結により透光性付与を目指す。 1軸配向および3軸配向制御焼結体の微構造組織における配向発達過程を明らかにするために、焼結温度を変化させて、配向発達過程を粒成長と関連づけて解析を進める。 板状酸化亜鉛粒子を用いた配向制御においては、テープキャスト後に積層した成形体を乾燥、焼結させる際における試料の膨らみによりディラミネーションが起こり緻密な焼結体を得ることが出来ていなかった。この課題を解決するために、スラリーの増粘剤、分散剤の検討および乾燥と焼結条件の検討を行い、緻密化できる条件を確立しZnOでの多軸化を試みる。 3軸配向に成功したMgTi2O5について、熱膨張異方性や焼結収縮の異方性など特性の結晶方位依存性に関しての解析を進める。
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Causes of Carryover |
窒化アルミニウム粉末の初期ネック部の解砕のために、ジェットミル処理の外部への依頼を計画していたが、機構内にて行うことが可能となったために次年度への繰越金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
放電プラズマ焼結用の消耗品および高温測定用の熱分析装置に用いる消耗品を購入する。
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[Journal Article] Preparation of Barium Titanate Grain-oriented Ceramics by Electrophoresis Deposition Method under High Magnetic Field using Single-domain Nanoparticles2014
Author(s)
S. Wada, T. Kita, I. Fujii, K. Nakashima, T. Takei, N. Kumada, T. Suzuki, T. Uchikoshi, Y. Sakka, Y. Miwa, S. Kawada, M. Kimura and Y. Kuroiwa
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Journal Title
Key Engineering Materials
Volume: 582
Pages: 27-31
DOI
Peer Reviewed
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