2013 Fiscal Year Annual Research Report
海洋バイオマスの亜臨界水分解特性の解明と燃料変換の基礎研究
Project/Area Number |
25289280
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
佐古 猛 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20324329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡島 いづみ 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40436910)
孔 昌一 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60334637)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 海洋バイオマス / 亜臨界水 / 燃料変換 |
Research Abstract |
大部分の大型藻類は大量に存在する未利用資源であり、難分解性のリグニンを含まないといった長所を持っている半面、海底で低密度に存在するので栽培や収集が困難、含水率が高い、海藻特有の難分解性多糖類を含有するといった課題がある。本研究では海洋バイオマス中の大型藻類から、複数のクリーン燃料をカスケード生産するための基盤技術を開発する。平成25年度はセルロースやヘミセルロースを含むアオサからのグルコース生成を検討した。その結果、酵素糖化のみでは反応時間72時間でもグルコース収率は32%、190℃の亜臨界水で20分前処理した後に72時間酵素糖化を行うとグルコース収率は48%まで上昇した。一方、180℃の3%希硫酸水溶液で3分処理するとグルコース収率は80%、キシロース収率は93%と、大幅に収率が上昇することが明らかになった。またマイクロ波加熱装置を用いてアオサを亜臨界水中で加水分解するために装置改良等を行い、安定して亜臨界水加水分解実験を行えるようにすることができた。また100L の大型水槽を用いて大型藻類としてサガラメを浮遊培養したところ、鉄分を添加することで葉幅、葉長ともに無添加よりも大きくなり、成長速度が増すことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は(1)大型藻類の高密度・高生長栽培技術の開発、(2)亜臨界水+酸触媒により大型藻類を加水分解した時の反応特性の把握、(3)大型藻類から複数の燃料を連続的に生成するためのカスケード式反応プロセスの開発を予定していた。その中で、大型藻類を高密度・高生長栽培するために、浮遊培養技術を用いて添加物を考慮することで藻類栽培において成長速度が増大できることを明らかにした。また反応特性の把握に関しては、マイクロ波加熱装置内で亜臨界水加水分解反応を行うための装置改良等を行い、安定して研究を行えるようにすることができた。更にカスケード式反応プロセスの開発については、大型藻類の糖化は酵素処理よりも硫酸を添加した亜臨界水加水分解が効果的であり、生物処理よりも20%収率を増加させるという目標値をクリアすることができた。これらのことから、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、(1) 大型藻類の高密度・高生長栽培技術の高生産性の確認、(2)亜臨界水+固体酸触媒の溶媒特性と酸強度の決定、(3)マイクロ波加熱装置を用いたセルロース、ヘミセルロース、アルギン酸の糖化条件の最適化、(4)カスケード式反応プロセスのうち、大型藻類のガス化・燃料ガス生成における亜臨界水や触媒硬化の明確化、の4項目を検討する予定である。
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Research Products
(3 results)