2015 Fiscal Year Annual Research Report
多様な未利用資源からリンを分離回収し産業利用するためのバイオプロセス技術の開発
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25289294
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大竹 久夫 早稲田大学, 総合研究機構, 客員上級研究員 (10127483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 憲司 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40623335)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リン回収再資源化 / リン溶解菌 / 非晶質ケイ酸カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度に単離したリン酸鉄およびリン酸アルミニウム溶解微生物のうち、最も溶解活性を示す微生物について、16S rRNA遺伝子解析による微生物同定を行った。その後これらの微生物による難溶性リン酸塩の溶解機構の解析と、溶解活性を最大化する培養条件の検討を行った。リン酸鉄溶解株についてはEnterobacter aerogenesと高い相同性を示した。HPLC解析の結果、本株はグルコン酸や2-ケトグルコン酸を生産し、キレート作用とpH低下の相乗効果によりリン酸鉄を溶解していることが示唆された。これらの有機酸の生産は好気条件下で促進され、2mMのリン酸鉄より約1mMのリン酸を溶出させることに成功した。 リン酸アルミニウム溶解株についてはAcetobacter calcoaceticusと高い相同性を示した。本株はリン酸鉄溶解株と同様、グルコン酸を生産することでリン酸アルミニウムを溶解し、2mMのリン酸アルミニウムより、約1mMのリン酸を溶出した。 溶解したリンの回収方法としては、非晶質ケイ酸カルシウム(A-CSHs)を用いた方法を開発した。珪質頁岩よりケイ酸をアルカリ抽出し、水酸化カルシウムと反応させることでA-CSHsを合成した。リン酸を含有した溶液にA-CSHsを添加することで、わずか20分の反応と10分の自然沈降、ろ過により80%以上のリンを分離回収するができ、肥料として再利用することができた。 前年度までの成果とあわせると、リン酸カルシウムを含む未利用リン資源である製鋼スラグや、農耕地に蓄積したリン酸鉄やリン酸アルミニウムを溶解する微生物を単離し、難溶性リンを効率的に溶解する技術に成功した。また溶解したリン酸を簡便に分離回収し、肥料として再利用する方法を開発した。このような新しいバイオプロセスにより、枯渇する天然リン鉱石への依存度を減らすことが可能になると考えられる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] A simple technology for phosphorus recovery using acid-treated concrete sludge2016
Author(s)
Okano, K., Yamamoto, Y., Takano, H., Aketo, T., Honda, K., and Ohtake, H.
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Journal Title
Separation and Purification Technology
Volume: 165
Pages: 173-178
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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