2015 Fiscal Year Annual Research Report
難治性疾患ナノ治療を目指した人工細胞膜の医療工学的研究
Project/Area Number |
25289299
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
上岡 龍一 崇城大学, 生物生命学部, 客員研究員 (70099076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 陽子 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (00133562)
松下 琢 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (10209538)
市原 英明 崇城大学, 生物生命学部, 准教授 (70369114)
古水 雄志 崇城大学, 生物生命学部, 助教 (80735829)
後藤 浩一 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (30279377)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 癌 / アポトーシス / リポソーム / 揺らぎ / 細胞・組織 / セラミド |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ハイブリッドリポソーム(HL)は、正常ヒト血管内皮細胞(HUVEC)の生存に影響を与えない濃度で、管腔形成を抑制することが明らかとなった。ヒト乳がん(MDA-MB-453)細胞皮下移植モデルマウスにおいて、HL治療群ではControl群と比べて有意に腫瘍重量が小さかった。CD34免疫染色により、腫瘍表面、腫瘍内部の両方で、CD34陽性領域の減少が確認された(J. Carcinoge. Mutagen., 6, 1000207 (2015))。 (2)HLの肺がん(A549)細胞に対するG0/G1 arrestおよびアポトーシス誘導による増殖抑制効果が明らかとなった。HL濃度依存的にセラミド量が増加し、HLが誘導するG0/G1 arrestおよびアポトーシスには、セラミドの関与が明らかとなった。中性スフィンゴミエリナーゼ阻害剤で処理により増殖抑制効果が阻害され、HLによるセラミド産生に中性スフィンゴミエリナーゼが関与することが示された。HLで処理した細胞では、スフィンゴミエリン量が減少し、HLが誘導するセラミドは細胞内のスフィンゴミエリンにより生成される可能性が示された。HLによりMT1-MMP(MMP-14)量が減少しており、遊走・浸潤抑制効果へのMMPの関与が明らかとなった(J. Carcinoge. Mutagen., 6, 1000230 (2015))。 (3)肺癌がCeramide synthase 6 (CERS6) と呼ばれるセラミド合成酵素の一種を過剰発現することで、がん転移を促進していることを見出した。 C16セラミドは、今回発見したがん転移促進を推進する一方で、アポトーシスと呼ばれる細胞死を誘発する物質として知られており、肺がんが転移のために高発現しているCERS6を分子標的とするため、C16セラミドの代謝上流物質であるL- α- dimyristoylphosphatidylcholine(DMPC)を主体としたHLを投与したところ、DMPCがCERS6依存的にC16セラミドに代謝され、細胞死を誘導した。本研究の成果はCERS6を分子標的とする新たな治療法が可能であることを示すものである(J. Clin. Invest., 126, 254 (2016))。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)