2014 Fiscal Year Annual Research Report
有限境界型ECR加熱プラズマの現象解明とマイクロ波放電式イオンスラスタへの応用
Project/Area Number |
25289304
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小泉 宏之 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (40361505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷹尾 祥典 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80552661)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | イオンスラスタ / 小型衛星 / プラズマ / 数値計算 / PIC / ECR / 小型推進 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究成果を以下にまとめる 【導電性インク印刷プローブによる壁面電流分布の測定】プラズマ生成室の内壁面に,絶縁材/金属を多層コートして微小な電流捕集プローブを集積化することで,プラズマ源内部の高分解能測定方法の確立を試みた.研究を進める中で,導電性インクジェットプリンタの適用の着想に至った.これにより極めて安価/容易/短時間での高密度微細プローブパターンの構築が可能となる.はじめにプラズマ測定への適用性を評価する基礎試験を経て,中和器内部のプラズマ電流測定および分布測定に成功した.この結果,内部賞味電流分布を測定し,数値計算との比較を実施した. 【改良型中和器オリフィスの世界初の小型深宇宙探査機への応用】PROCYONは本学が主導して開発した世界初の小型深宇宙探査機である.本探査機には小型イオンスラスタが搭載され(100-kg以下衛星での深宇宙作動は世界初),このスラスタ用の中和器に本研究を経て改良がなされた中和器オリフィスが実用された.中和器の改良によりイオンスラスタシステムの性能が向上した. 【数値計算コードの改良】これまでにES-PICを用いて放電プラズマの再現に成功し,プラズマ電流をフィードバックさせてEM-PICへと移行させることによりFEMP3の原型を完成させることを試みた.プラズマ電流のフィードバックを進める中で,完全なEM-PICへの移行には計算セルおよび粒子数の増加が必要であることがわかった.また,プラズマ生成/維持の物理を解明するために,内部における電流分布を求め,電子損失領域が局所化されていることを明らかにした.これは実験による検証および今後のプラズマ源改良への有効な指針となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
導電性インク印刷プローブは,当初計画よりも極めて安価/容易/短時間での高密度微細プローブの可能性を見出した.また,世界初の小型新宇宙探査機への適用に成功するなど応用面でも大きな成果を収めた.数値計算に関しては,完全なEM-PICへの移行は難航しているものの,先行して内部物理の解明等が進んでおり,トータルとしては順調な進展と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には,従来通りの方策を進める.
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Causes of Carryover |
ヘリウムディテクターが中古で状態が良好なものが入手できたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験中に故障したターボ分子ポンプの修理費用にあてる
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Research Products
(6 results)