2014 Fiscal Year Annual Research Report
超小型衛星動力飛行用高総インパルス発生電熱加速型パルスプラズマスラスタの開発研究
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25289310
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
田原 弘一 大阪工業大学, 工学部, 教授 (20207210)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 宇宙推進 / 電気推進 / パルスプラズマスラスタ / 電熱加速 / 小型人工衛星 / 動力飛行 / 推進性能 / 高総力積 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.プラズマ数値シミュレーションにより、電熱加速型PPTの放電室内部、およびその下流の噴出流の状態を調べた。溶融・昇華現象、プラズマ生成・加速過程を考察し明らかにした。計算結果と実験結果を比較検討し定量的に同意することを確かめ、高インパルスビット、および高総インパルスを達成する最適作動状態を提案し、PPT実験機の改良点を決定した。 2.作動実験と数値シミュレーションから提案された電熱加速型PPTの最適設計を行い試作した。推進性能、プラズマ特性、流れ場の状態を再び測定し、数値シミュレーション結果と比較検討した。その結果をもとに、数値計算モデルの改良と共に、PPT本体、および全体システムの更なる改造を行った。推進性能を正確に予測できる計算コードを構築すると共に、スラスタ設計のための相似則を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大電力パルスプラズマスラスタの地上実験と数値シミュレーションは順調に行われ、十分な成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.作動実験時の真空タンク環境が電熱加速型PPTの推進性能と噴出プラズマ流の状態に及ぼす影響を明らかにするために、より大容量(水冷された真空タンク直径3m、長さ6m)、高真空下(1mPa台)における推進性能の測定、噴出プラズマの診断測定を行う。これらの実験は石川島播磨重工業(株)にて行われ、その結果が大阪工業大学で行われた、宇宙実験の結果を含む全ての実験結果と比較検討される。また、数値計算により、真空タンク圧力の影響を見積もる。 2.耐久試験用の電熱加速型PPTを設計・製作し、長時間作動試験を行う。高作動安定性(連続ミスショット無し)を目指すと共に、推進性能の測定と共にスラスタ本体の熱特性を取得し、高耐久性スラスタ設計のための指針を提案する。 3.本研究で開発した高性能の小型衛星用電熱加速型PPTシステム(軽量システム重量の目標:10kgレベル)を現状もしくは次世代のミッション(超小型人工衛星プロイテレス2号機(質量50kg)を念頭)に適用し、その優れた点を検討、アピールする。
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